傷病手当金と有給はどっちが先?退職前の順番の地雷

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※当ページは広告(PR)を含みます。本記事は一般情報提供を目的としたものであり、個別の受給可否を保証するものではありません。制度の最新情報は必ず公式窓口でご確認ください。

私は、順番もタイミングも知らずに辞めました。有給が何日残っていたのかも曖昧なまま、潰れた勢いで退職日を決めてしまった。あとから傷病手当金という制度を調べ尽くして、「退職日を1日どう設計するかで結果が変わる」ことを知ったときの、あの取り返しのつかなさは今でも覚えています。

この記事は、当時の私が一番知りたかった「有給と傷病手当金、どっちを先に使うのか」「退職日をどこに置くのか」という順番の話だけを整理したものです(制度全体の見取り図は傷病手当金をもらって退職する手順へ)。結論から書きます。

目次

結論:原則は「有給を先に使い切ってから傷病手当金へ」

多くの場合、損しにくいのは「有給休暇を先に消化し、そのあとで傷病手当金の支給期間に入る」順番です。理由はシンプルで、有給は給与が満額出るのに対し、傷病手当金はおおよそ給与の3分の2だからです。満額もらえる日を先に使い、3分の2の制度をあとに回す。これが原則です。

ここで重要な補足がひとつあります。傷病手当金には「連続3日の待期期間」が必要ですが、この待期3日は有給休暇で休んだ日でも成立します。つまり「待期のために無給で3日休む」必要はなく、有給を使いながら待期を完成させておくことができます。

ただし、有給の残日数・退職日・体調の経過は人によって違うため、「必ずこの順番が得」とは言い切れません。最終的な判断の前に、必ず加入している健康保険(協会けんぽ等)の窓口で確認してください。

なぜ順番で差が出るのか

傷病手当金は「働けないのに給与が出ない日」を補う制度です。そのため、有給休暇中のように給与が出ている日には支給されません。有給と傷病手当金は同じ日に重ねて受け取れない、という関係をまず押さえてください。

有給休暇 傷病手当金
その日の収入 給与が満額 標準報酬月額(直近12ヶ月平均)÷30の約3分の2
同じ日に両方 不可(給与が出る日は傷病手当金は支給されない)
待期3日への算入 算入される(有給でも待期は成立)
期間の上限 残日数まで 支給開始日から通算1年6ヶ月

この構造から、順番を逆にしたときの差が見えてきます。先に欠勤(無給)で傷病手当金を受け始め、有給を残したまま退職すると、未消化の有給はそのまま消えるだけです。逆に有給を先に使い切れば、満額の日数をフルに確保したうえで、給与がなくなった日から傷病手当金に切り替わる。収入の階段が「満額→3分の2」と滑らかに降りていく形になります。

もうひとつ知っておきたいのは、傷病手当金の「通算1年6ヶ月」は支給開始日から数えるという点です。有給を先に使っている間は支給が始まっていないので、この時計はまだ動きません。順番の設計は、受け取れる期間の起点にも関わってきます。

正しい順番の設計例

原則どおりに組むと、流れはこうなります。

  1. 受診し、労務不能の判断を受ける──すべての起点は医師の判断です。自己判断で休み始める前に、まず受診を。
  2. 連続3日の待期を完成させる──この3日は有給でも成立します。土日など公休を挟んでも構いません。
  3. 残りの有給を消化する──給与が満額出る期間。この間、傷病手当金は支給されませんが、それで問題ありません。
  4. 有給が尽きたら、給与のない欠勤期間に入る──ここから傷病手当金の支給対象になります。支給開始日=通算1年6ヶ月のスタートです。
  5. そのうえで退職日を迎える──退職後も受け続ける「継続給付」の条件を満たした状態で退職します(次の章で説明します)。

申請書は本人記入に加えて、医師の意見書と、在職期間分については事業主の証明が必要です(退職後の期間分は事業主証明は不要)。書式や記入方法は健保によって細部が異なるため、協会けんぽ等で確認してください。

退職前にやってはいけない3つ

順番の設計以前に、これをやると退職後の継続給付そのものが危うくなる、という地雷が3つあります。退職後も傷病手当金を受け続けるには「①退職日まで継続して1年以上の被保険者期間がある」「②退職日時点で傷病手当金を受給中、または受けられる状態である」「③退職日に出勤していない」という条件があるためです。

1. 在職中に一度も受給を始めないまま辞める

退職日時点で「受給中または受けられる状態」でないと、退職後の継続給付の対象になりません。「受けられる状態」の解釈は判断が分かれやすい部分なので、退職日より前に給与のない欠勤日を作り、実際に支給対象となる日を発生させておくのが確実です。在職中に何も手続きせず辞めてから「あとで申請しよう」は、最も危ない進め方です。

2. 退職日に出勤する

有名な地雷です。最終日だからと挨拶や引き継ぎのために出勤すると、「退職日に労務不能だった」とは言えなくなり、退職後の継続給付が受けられなくなる可能性があります。気持ちは痛いほど分かりますが、退職日は出勤しない。挨拶が必要なら退職日より前に済ませるか、別の手段を考えてください。

3. 被保険者期間1年未満のタイミングで辞める

退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がないと、退職後の継続給付の対象外です。転職して間もない人は特に注意してください。あと数週間で1年に届くなら、退職日を後ろにずらすだけで条件を満たせる場合があります。これこそ「1日の設計で結果が変わる」典型例です。

「退職日」を決める前のチェックリスト

  • 医師に労務不能と判断されているか──診断・意見書がすべての前提
  • 被保険者期間は退職日まで継続して1年以上あるか──入社日と退職日で計算する
  • 有給の残日数を正確に把握しているか──消化しきる日程から逆算して退職日を置く
  • 退職日より前に、給与のない欠勤日(支給対象日)を作れているか──待期3日の完成だけでなく、実際の支給開始まで進めておく
  • 退職日に出勤しない段取りができているか──引き継ぎ・挨拶・備品返却は前倒しで

ひとつでも曖昧なまま退職日を確定させないでください。私のように、あとから「知っていれば」と数え直すことになります。

一人で設計しきれない場合

ここまで読んで「理屈は分かったが、自分のケースで日付を確定させる自信がない」と感じた方は、正常な感覚だと思います。待期・有給残・被保険者期間・退職日の4つを、体調が落ちている状態で一人で噛み合わせるのは、正直かなり骨が折れる作業です。

退職給付金の申請サポートを行うPOOL BOXのようなサービスでは、無料相談で自分が対象になり得るかと概算を確認できます。費用は完全後払い(受給後の支払い)で、退職代行から給付金申請・転職支援まで一気通貫の体制があり、申請実績は1,500件超(自社公表値)とのことです。もちろん利用は必須ではありませんが、「順番を間違えてから気づく」よりは、確定前に一度プロの目を通すほうが安全です。

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辞め方そのものに悩んでいるなら

この記事は「辞めると決めた人の順番設計」に絞りましたが、そもそも辞めるか休むかで迷っている段階なら、先に「休職したい」と言い出せないときの考え方を読んでみてください。私は休職という選択肢を検討する余裕すらなく潰れてから辞めた側なので、その手前で立ち止まれる人には立ち止まってほしいと本気で思っています。

また、退職の意思を自分で会社に伝えるのが難しい状態なら、退職代行サービスの比較記事も用意しています。「病気で辞めるなんてずるいのでは」と自分を責めてしまう人は、うつでの退職は「ずるい」のかを整理した記事が答えになるはずです。

まとめ:1日の設計で結果が変わる

順番の原則をもう一度だけ。受診して労務不能の判断→待期3日(有給でも成立)→有給を使い切る→給与のない欠勤期間で支給開始→そのうえで退職日(出勤しない)。そして、被保険者期間1年・退職日不出勤・在職中の支給開始という継続給付の3条件を退職日確定前に必ず点検する。

なお、傷病手当金と失業保険(基本手当)は同時には受けられません。働けない間はハローワークで受給期間延長(最長3年)の手続きをしておき、働ける状態に回復してから失業保険に切り替えるのが一般的な流れです。

個別の金額や受給可否は、必ず加入している健康保険の窓口で確認してください。私のように「知らなかった」で終わらせないために、この記事が退職日を決める前のあなたに届いていることを願っています。

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この記事を書いた人

宮瀬圭介(みやせ けいすけ)

ADHD診断済みの30代男性。FXで268万円の損失、借金500万円からの生活再建中。 プロフィール詳細 →

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この記事を書いた人

ADHD診断済みの30代男性。FXで268万円の損失、借金500万円からの生活再建中。機能不全家族・ADHD・借金について当事者視点で発信しています。

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