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もし、FXの口座を開設する前日の自分に会えるなら。
「やめておけ」とは言わないかもしれません。でも、この5つだけは絶対に伝えます。
私はFXで268万円を失いました。2019年に192万円、2020年に76万円。主にポンドル(GBP/USD)を触っていました。確定申告書に残っている数字なので、記憶の美化も誇張もありません。
そしてFXの損失は、最終的に500万円の借金の一部になりました。
これは「FXは危険だからやめろ」という記事ではありません。過去の自分への手紙です。
1.「余剰資金で」は嘘になる
FXを始めるとき、どのサイトにも書いてあります。「余剰資金で運用しましょう」と。
私もそうしていました。最初は。
問題は、負けが続いたときに起きます。10万円の余剰資金で始めて、それが5万円になります。取り返したくなります。「あと5万円だけ入れれば戻せる」と思います。その5万円は、もう余剰資金ではありません。
「余剰資金」と「生活資金」の境界線は、損失が膨らむにつれて溶けていきます。最初に引いたはずの線を、自分で消していることにすら気づきません。
192万円を失った年、私の口座に入っていたお金はとっくに「余剰」ではありませんでした。
2. 損切りルールは「決める」より「守る」が100倍難しい
損切りの重要性は知っていました。本も読みました。ルールも決めました。ストップロスも設定しました。
そして、動かしました。毎回。
「あと少しで戻るかもしれない」。この思考が出た瞬間、ストップロスの数字を広げています。-2万円で切るはずが-5万円になり、-5万円で切るはずが-10万円になります。
損切りルールを「決められる」人は多いです。でも「守れる」人は本当に少ないです。少なくとも私は守れませんでした。ルールを決めたこと自体が安心材料になって、実際には一度も機能しませんでした。
特に危険なのが「損切りしないで待つ」という判断です。一度でも「待っていたら戻った」という成功体験があると、次も待ちたくなります。だが相場は毎回違います。私は損切りせずにポジションを持ち続けた結果、一晩で数十万円を失ったことがあります。「損切りしないで待つ」が正解だったのは、たまたま運が良かっただけでした。
3.「少額から始めれば安全」は半分嘘
「まずは1000通貨から」「少額で経験を積もう」。これも定番のアドバイスです。
私も少額から始めました。最初のうちは1000通貨で慎重にやっていました。
でも、少額で勝つと「もっと大きく張っていれば」と思います。3連勝したあたりでロットを上げます。上げたロットで負けると、少額時代の利益が一瞬で消えます。
少額から始めること自体は間違いではありません。問題は、少額のまま「いられない」ことです。勝てば増やしたくなり、負ければ取り返したくなります。どちらに転んでもロットは上がります。
4. FXに向いていない性格がある
これはあまり語られないことだと思います。
私にはADHD(注意欠如・多動症)があります。衝動性が強く、刺激を求める傾向があります。冷静な判断より「今すぐ」の感情が勝ちます。
FXに必要なのは、退屈に耐える力です。チャンスが来るまで何もしない忍耐力。含み損を抱えたまま冷静でいる精神力。ルールを淡々と繰り返す単調さへの耐性。
私にはそのどれもありませんでした。ポジションを持っていないと落ち着きません。チャートが動くと反射的にエントリーします。「ポジポジ病」という言葉がありますが、ADHDの衝動性とポジポジ病は相性が最悪です。
FXの技術や知識の前に、自分の性格特性を正直に見つめるべきでした。
FXに向いてない人の特徴を、自分の失敗談から挙げてみます。
- 負けたときに「取り返したい」と強く思うタイプ
- ギャンブルや買い物で衝動的になりやすい人
- 「損切りしないで待てば戻る」と信じてしまう人
- チャートを見ていないと不安になる人(ポジポジ病予備軍)
- 「自分だけは大丈夫」と根拠なく思えてしまう人
全部、過去の私に当てはまります。一つでも心当たりがあるなら、口座を開く前に立ち止まってほしいです。FX初心者の失敗談を読んで「自分は違う」と思った人ほど、同じ道をたどりやすいです。
5. FXはやめたほうがいいと思ったら、すぐやめろ
FXを始めるとき、「いくら稼ぎたいか」は考えます。でも「いくら負けたらやめるか」を決める人はほとんどいません。
私も決めていませんでした。
だから、50万円負けても「まだ取り返せる」と思いました。100万円負けても「ここでやめたら損が確定する」と思いました。200万円を超えても、やめられませんでした。
「累計損失がいくらになったら撤退する」「口座残高がいくらを切ったら入金しない」。この2つを、口座開設の前に紙に書いておくべきでした。
始めてからでは遅いです。損失を抱えた状態で冷静な撤退判断はできません。
周りが止めてくれなかったわけでもありません。友人にも知人にも「やめなよ」と言われていました。それでも聞けませんでした。見栄やプライドで意地を張っていたというより、その言葉が届かないんです。音としては聞こえているのに、自分の判断を変える材料としては処理されない。だから、外から止めてもらうことをあてにしないほうがいいです。撤退ラインを先に紙へ書いておくべきだというのは、そういう意味です。
ちなみに私は、FXで結果を出せなかった焦りから、20万円のFXコンサルにも手を出しました。結果は何も変わりませんでした。冷静さを失っているときの判断は、すべて裏目に出ます。
「FXやめとけ」は本当だった|268万円失った私が断言する理由という記事にも書きましたが、個人トレーダーの大半は負けます。それは能力の問題ではなく、構造の問題です。その構造を理解しないまま「自分は違う」と思っていました。
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FXの損失で借金を抱えたら
FXの損失がきっかけで借金を抱えてしまった場合、まずは現状を正確に把握することが大切です。
私自身、損失額も借金の全体像も、確定申告書を整理するまで正確に把握できていませんでした。「だいたいこれくらい」という曖昧な認識が、問題の先送りにつながっていました。
借入先・残高・金利・毎月の返済額を一覧にするだけでも、見え方が変わります。そのうえで返済が厳しい場合は、弁護士や司法書士への相談を検討してほしいです。自治体の無料法律相談や、法テラス(0570-078374)でも相談できる。
「まだ大丈夫」と思っているうちに相談するのが一番いいです。私は「まだ大丈夫」の期間が長すぎました。
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この記事は筆者の個人的な体験に基づくものであり、FX取引や投資に関する助言を目的としたものではありません。金融商品の取引にはリスクが伴います。借金や債務に関する判断は、必ず専門家(弁護士・司法書士・ファイナンシャルプランナー等)にご相談ください。記事中の金額・損失額は筆者の確定申告書に基づく実数値です。
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