個人事業主の自己破産体験談|ブログを売れと言われた

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※本記事は広告(PR)リンクを含みます。また、本記事は筆者自身の体験に基づく一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。自己破産・資産売却の判断は必ず弁護士に相談してください。

「自己破産する前に、そのブログ、売った方がいいですよ」

市の無料法律相談で、弁護士からそう言われた時、私は一瞬意味が分からなかった。借金で首が回らなくなって相談に行ったのに、なぜ自分の事業(ブログ)を売る話になるのか。だが、その一言には、個人事業主が自己破産するときに必ず知っておくべき現実が詰まっていた。

私は個人でWebメディア・ブログ事業をやっていて、借金が500万円まで膨らんだ。コロナ禍で売上が戻らず、リスケも公的窓口も断られ、最終的に市の無料弁護士のところで「これはもう自己破産しかない」と言われた段階の人間だ。この記事は、その相談過程で言われた「ブログを売れ」というアドバイスの本当の意味と、やってはいけない売り方(詐害行為)の境界を、当事者目線で整理する。同じ立場の個人事業主が判断を誤らないために書く。

目次

個人事業主の自己破産が会社員と違うところ

個人事業主の自己破産が会社員と決定的に違うのは、「事業資産」を持っている点だ。在庫、機材、売掛金、そして私の場合は「収益を生むブログ・サイト」。これらは法律上、財産として扱われる。

自己破産には、財産がほとんどなければ手続きが簡単に終わる「同時廃止」と、一定以上の財産があると管財人が選任されて財産を換価・配当する「管財事件」がある。価値のある事業資産を持っていると、管財事件になりやすい。そして管財事件になると、その事業資産は破産財団に組み込まれ、管財人が売却して債権者への配当に回す。つまり、収益を生むブログは、放っておけば破産手続きの中で「他人の手で」処分される

会社員には、こういう「事業資産をどうするか」という論点がそもそも無い。ここが個人事業主の自己破産の難しさであり、相談先選びが重要になる理由だ。

弁護士が「破産する前にブログを売れ」と言った本当の意味

では、なぜ弁護士は「破産する前に売った方がいい」と言ったのか。私が理解した範囲では、こういうロジックだ。

どうせ管財事件で管財人に処分されるなら、その前に自分で適正な価格で売却し、その代金を弁護士費用や当面の生活費、必要な支払いに正当に充てる方が、本人にとって合理的なケースがある、という考え方だ。管財人が売る場合、本人の手元には基本的に何も残らない。一方、破産前に正規のルートで売れば、手続き費用や生活再建の原資を確保できる可能性がある。

ただし、これはあくまで弁護士の指導を受けたうえでの話だ。自己判断で先に売ってはいけない。なぜなら、やり方を間違えると次に説明する「詐害行為」になり、かえって不利になるからだ。

私自身、過去に運営していたWebメディアを売却した経験があるので、「サイトには値段がつく」という感覚はあった。だからこそ、このアドバイスは腑に落ちた。ブログやサイトは、続けられなくなった瞬間にゼロになるのではなく、買い手にとっては価値のある資産になり得る。

ただし――ここからが最重要だ。この「破産前の売却」は、やり方を一歩間違えると、自分の首を絞める。

【最重要】破産前の資産売却が「詐害行為」になる場合

「破産する前に資産を処分する」と聞くと、財産隠しのように感じる人もいるだろう。実際、やり方によっては法律上アウトになる。具体的には次の2つのリスクがある。

  • 否認(詐害行為):破産手続開始前に、債権者を害する形で財産を処分すると、破産管財人がその行為を「否認」して財産を取り戻せる(破産法上の否認権。該当する条文や要件は行為の種類で異なるため、判断は弁護士確認が必須)。たとえば、相場より極端に安く売る、知人や親族に名目だけ譲る、といった行為が該当しやすい。
  • 免責不許可事由:財産を隠す・わざと安く処分する・代金を申告せず使い込むといった行為は、免責不許可事由にあたる可能性がある(破産法252条)。これに該当すると、最悪の場合「借金が免除されない」=自己破産した意味がなくなる。

つまり、「破産前にブログを売る」こと自体は違法ではないが、安く・こっそり・身内に売るのは確実にアウトということだ。境界をまとめるとこうなる。

  • 🟢 セーフに近い:適正な市場価格で第三者に売る/代金の使途を隠さず記録する/弁護士に相談しながら進める
  • 🔴 アウトになりやすい:相場より極端に安く売る/親族・知人に名義だけ移す/代金を申告せず隠す・使い込む

だから、弁護士の「売った方がいい」は「弁護士の指導のもとで、適正価格で、透明に売るなら」という前提つきだと理解するのが正しい。自己判断で先に売ってしまうと、その売却自体が後で否認されたり、免責が下りなくなったりする。順番は必ず「先に弁護士に相談 → 売却の可否とやり方を確認 → 売る」だ。これを逆にしてはいけない。

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ブログ・サイトはいくらで売れる?どこで売るのか

では実際、ブログやサイトはどうやって売るのか。個人のブログ・サイトを売買する「サイトM&A」という市場がある。専門のプラットフォームに売却サイトを登録し、買い手とマッチングする仕組みだ。私が過去にメディアを手放した時も、こうした売買の仕組みを通じて買い手が見つかった。

価格の目安は、サイトの種類や収益性で大きく変わるが、一般的には月間の利益(営業利益)の十数か月〜2年分程度が相場感として語られることが多い(あくまで目安で、収益が安定しているか・ジャンル・移管のしやすさで上下する)。収益がほぼ無いサイトは値がつきにくいが、安定収益のあるブログなら、想像以上の値段がつくこともある。

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繰り返しになるが、自己破産を視野に入れているなら、売却の前に弁護士に「売っていいか・どう売るか」を確認すること。順番さえ守れば、ブログの売却は生活再建の原資になり得る。守らなければ、否認や免責不許可で逆効果になる。

そもそも自己破産が「できない」「したくない」場合の選択肢

個人事業主の中には、「自己破産すると事業を続けられなくなる」「資格制限のある仕事だから破産は避けたい」という人もいる。実際、自己破産だけが債務整理ではない。

  • 任意整理:弁護士・司法書士が債権者と交渉し、将来利息のカットや返済期間の見直しを行う。財産は残せるので、事業を続けたい場合の選択肢になりやすい。
  • 個人再生:裁判所を通じて借金を大幅に減額し(一般的には1/5〜1/10程度とされるが、保有資産が多いほど最低返済額が上がる「清算価値保障」により、事業資産があると減額幅が小さくなることもある)、原則3〜5年で返済する。事業や住宅を残せる可能性がある。
  • 自己破産:免責が認められれば借金の支払い義務がなくなる。一定の財産は処分されるが、生活再建を最優先する制度。

どれが向いているかは、借金額・収入・残したい資産(事業・住宅)によって変わる。注意点として、個人再生・自己破産の裁判所への申立て代理は弁護士のみが行える(司法書士は申立書類の作成補助はできるが、申立ての代理はできない)。認定司法書士は、各債権者1社ごとに請求額が140万円以下の場合に、その範囲で和解交渉や簡易裁判所での訴訟代理を行える(認定司法書士に認められた業務範囲)。

私がコロナ融資で行き詰まった経緯はコロナ融資が返済できない|全機関に断られた私の実録、廃業しても借金が残る話は個人事業主は廃業しても借金は残る、自己破産そのものを検討した記録は自己破産のリアルに書いた。あわせて読んでほしい。

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※自己破産・個人再生の「裁判所への申立て代理」は弁護士のみが行えます。上記の司法書士事務所は、初回相談や申立書類の作成補助の範囲で対応します(申立ての代理は依頼できません)。

公的な相談窓口:法テラス(無料法律相談)国民生活センター裁判所(破産・再生手続の案内)

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この記事を書いた人

宮瀬圭介(みやせ けいすけ)

ADHD診断済みの30代男性。FXで268万円の損失、借金500万円からの生活再建中。 プロフィール詳細 →

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この記事を書いた人

ADHD診断済みの30代男性。FXで268万円の損失、借金500万円からの生活再建中。機能不全家族・ADHD・借金について当事者視点で発信しています。

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