親に借金を言えないまま返すのは、間違いなのか。
この問いは、今の私にとってきれいに答えられるものではありません。
私はこの連載で「親に言えない借金500万」と書いています。でも、正確に言うと、まったく何も言えていないわけではありません。
この記事は、親に言えない借金500万を、任意整理しないで返している全記録の中の一篇、「言えていない差分」だけを切り出した回です。
信金の借金については、親に話しました。
でも、全額は言えていません。公庫の約200万円は、まだ言えていません。つまり私は、親に借金を言えた人間でもあり、まだ言えていない人間でもあります。
この中途半端さが、いちばん現実に近いです。
この記事では、親に借金を言えないまま返すことを、正しいか間違いかで裁くのではなく、私が実際に言えなかった日のこと、やっと一部だけ話せた日のこと、そして今も残っている約200万円の差分について書きます。
結論:言えないまま返すこと自体が、すぐ間違いとは言えない
最初に結論を書きます。
親に借金を言えないまま返すこと自体が、すぐ間違いだとは思っていません。
親に借りるつもりがない。保証人になってもらうつもりがない。親の名義を使わない。返済が回っている。郵便物や督促で家族を巻き込む状態ではない。
この条件なら、親に全部を話さず、自分の責任で返すという選択もあり得ると思います。
ただし、言えないまま返すことと、見ないふりをすることは違います。
残高を見ない。返済表を作らない。延滞を隠す。家族に借りるしかない状態まで進んでいるのに、親には何も言わない。
ここまで来ると、話は変わります。
親に言うかどうか以前に、借金の状態を直視しないといけない。
私がそうでした。
金融機関の人に「家族に借りるくらいしかない」と言われた日
ある時期、返済が本当にきつくなりました。
事業もうまくいかない。収入も足りない。返済予定だけが残る。自分の中では、まだどうにかできると思いたい。でも、数字を見るとどうにもならない。
その頃、金融機関の人に言われました。
家族に借りるくらいしかない。
正確な言い方は、少し違ったかもしれません。
でも、私の耳にはそう残りました。
もう外からは借りられない。返済も厳しい。だったら家族に頼るしかない。そういうところまで来ているのか、と突きつけられた感覚でした。
きつかったです。
金融機関の人に悪意があったと言いたいわけではありません。相手も現実の選択肢を言っただけだと思います。
でも、親に借金を言えない人間にとって、「家族に借りるくらいしかない」は、ただの選択肢ではありません。
自分が一番避けてきた扉を、正面から開けろと言われる言葉です。
帰省して、意を決して、それでも言えなかった
そのあと、私は帰省しました。
言うつもりでした。
実家に帰る前から、何度も頭の中で練習しました。
- 事業の借金がある
- 返済がきつい
- 金融機関と話している
- 家族に借りる話まで出ている
- でも、どうしたらいいかわからない
このくらいは言わないといけないと思っていました。
でも、言えませんでした。
親の顔を見ると、言葉が出ませんでした。
ご飯を食べる。普通の話をする。体調を聞かれる。仕事のことを聞かれる。私は「大丈夫」と答える。
まったく大丈夫ではないのに、大丈夫と言ってしまう。
この時の苦しさは、借金の金額とは別でした。
言うと親を傷つける気がする。心配させる気がする。怒られるより、がっかりされる方が怖い。30代にもなって何をしているのかと思われるのが怖い。
そして一番怖かったのは、「助けて」と言ってしまいそうな自分でした。
親に借りたいわけではない。親に背負わせたいわけではない。でも、限界の顔をして話したら、結局親は助けようとしてしまうかもしれない。
それが怖くて、言えませんでした。
親が噛み砕いて聞いてくれて、やっと一部だけ言えた
最終的に、私からうまく言えたわけではありません。
親の方が、噛み砕いて聞いてくれました。
一気に「全部話せ」と詰めるのではなく、こちらが答えられる粒度まで分けてくれた。だから、やっと言えました。
信金の借金のことです。
借金があること。返済がきついこと。金融機関と話していること。自分だけで抱えきれなくなっていること。
それを、少しずつ話しました。
でも、ここで終わりではありません。
私は全額を話せたわけではありません。
信金の分は言えた。でも、公庫の約200万円はまだ言えていない。
これが今の私の現在地です。
私の現在地:親に言えた分と言えていない分
数字で書くと、こうなります。
| 項目 | 現在地 |
|---|---|
| ピーク時 | 借金500万円超 |
| 現在の返済対象 | 約450万円 |
| 親に話した分 | 信金の借金 |
| まだ話せていない分 | 公庫の約200万円 |
| 完済済み | JCBキャッシング50万円 |
| 毎月返済 | 金融機関と直接交渉して月約1万円 |
| 任意整理 | 無料相談まで行ったが、今は選ばず返済中 |
こうして見ると、「親に言えない」という言葉は単純ではありません。
何も言っていないわけではない。
でも、全部は言えていない。
言えたことで楽になった部分もあります。けれど、差分の約200万円が残っていることで、まだ胸の奥に重さがあります。
親に借金を言うというのは、一回で終わるイベントではありません。
どこまで話したか。何をまだ話していないか。親に何を頼むつもりなのか。頼まないつもりなのか。
そこまで分けないと、「言った」「言ってない」だけでは現実を扱えません。
親に言えないまま返すなら、最低限分けること
私は、親に全部を言えていないまま返しています。
だからこそ、最低限分けないといけないことがあります。
1. 親に借りるつもりがあるのか
ここは最初に分けるべきです。
親に話すことと、親に借りることは違います。
話すだけなのか。相談したいのか。肩代わりしてほしいのか。一時的に立て替えてほしいのか。
ここが曖昧なまま話すと、親は「いくら必要なのか」「貸せば解決するのか」と考えるかもしれません。
もし親に借りるなら、家族内でも返済表が必要です。金額、返済開始日、毎月いくら返すか、返せない時にどうするか。
私は、親に借りたいわけではありません。
だからこそ、話すなら「助けてほしい」ではなく、「今の状態を知ってほしい」と分ける必要があります。
2. 何を話して、何をまだ話していないのか
一部だけ話している場合は、ここが重要です。
私の場合、信金の分は話しました。でも、公庫の約200万円はまだ話せていません。
この状態で「親には言った」と言い切るのは、自分をごまかしている気がします。
逆に「何も言えていない」と言い切るのも、実際とは違う。
だから、こう書くのが正確です。
親には信金分だけ話した。でも、全額は言えていない。
この一文を、自分の中で持っておく。
それだけでも、次に話すべきことが見えます。
3. 返済が回っているのか
親に言えないまま返すなら、返済が回っているかどうかはごまかせません。
延滞している。督促が来ている。裁判所の書類が来ている。家族に郵便物が見られそう。生活費が足りず、親に借りるしかない。
こういう状態なら、親に言うかどうか以前に、相談先を使った方がいいです。
私も任意整理の無料相談まで行ったことがあります。その上で、今は任意整理を選ばず、金融機関と直接交渉して返しています。
相談したから必ず手続きするわけではありません。
でも、相談しないまま「親に言えない」と抱えていると、選択肢が見えなくなります。
親に話す前に、借金の現在地だけ見る
借金額、延滞、借入社数、過払いの可能性を無料・匿名で確認できます。結果は一般的な目安であり、手続き結果を保証するものではありません。
※広告リンクです。相談は無料ですが、手続きに進む場合は費用が発生します。
親に言えない理由は、怒られるのが怖いだけではない
親に借金を言えない理由を、外から見ると「怒られるのが怖いだけ」に見えるかもしれません。
でも、実際はもう少し複雑です。
- 心配をかけたくない
- 親も余裕があるわけではない
- 家族の中でお金の話をしたくない
- 失敗した自分を見せたくない
- 親が助けようとしてしまうのが怖い
- 一度話したら、もう元に戻れない気がする
私の場合、怒られることより、親に心配されることの方が怖かったです。
そして、親が助けようとしてくれることも怖かった。
助けてほしい気持ちがまったくないと言えば、嘘になります。
でも、親に背負わせたくない気持ちもある。
この二つがぶつかって、言葉が出なくなります。
親が噛み砕いて聞いてくれた時に、なぜ言えたのか
私が一部だけでも言えたのは、親が噛み砕いて聞いてくれたからです。
「全部言え」と迫られたら、たぶん閉じていました。
でも、小さく聞いてくれた。
何が起きているのか。どこに借りているのか。いくらくらいなのか。今は払えているのか。
こちらが答えられる単位に分けてくれたから、言葉にできました。
これは、親に言う側にも大事なことだと思います。
最初から全部を完璧に説明しようとすると、詰まります。
だから、話す前に自分で噛み砕いておく。
- 借入先ごとの残高
- 親に話す分、まだ話せない分
- 毎月返済額
- 延滞の有無
- 親に借りたいのか、借りないのか
- 今後増やさないために何をしているか
このメモがあるだけで、話は少しだけ現実的になります。
親に言えないまま返す時の危険なサイン
親に言えないまま返すとしても、危険なサインはあります。
1. 親に借りないと次の返済ができない
この状態なら、「親に言うかどうか」ではなく、「親に何を頼むのか」を整理する段階です。
借りるなら、金額と返済表が必要です。返せる見込みがないのに借りると、外の借金が家族の借金に変わるだけです。
2. 郵便物や電話で知られる可能性が高い
同居している場合、督促状や電話で知られることがあります。
先に自分から話すのと、郵便物で知られるのでは、受け取られ方が違います。
郵便物や電話が怖いなら、借金相談を親に言えない人向けの記事で相談先の違いも整理しています。
3. 返済のために別の借金を増やしている
返済のために新しく借りる。カードで生活費を回す。リボやキャッシングで穴を埋める。
これを続けると、親に言うかどうか以前に、借金の総額が見えなくなります。
私はJCBキャッシング50万円を完済しましたが、あの時期の重さは今も覚えています。
親に話すなら、最初に言うこと
もし私が、まだ言えていない公庫の約200万円も話すなら、最初にこう言うと思います。
前に信金の借金のことは話した。でも、全部は話せていなかった。公庫の借金が約200万円残っている。今すぐ肩代わりしてほしいわけではない。ただ、全額を言えていないままにしているのが苦しくて、今の状態を話したい。
これで許されるとは思っていません。
親が怒るかもしれない。心配するかもしれない。なぜ前に全部言わなかったのかと言われるかもしれない。
でも、今の私に必要なのは、立派な説明ではありません。
どこまで話したか。何をまだ話していないか。肩代わりを頼むのか、頼まないのか。
それを分けることです。
彼女や結婚の話にもつながってしまう
親に全額を言えていないことは、彼女や結婚の話にもつながります。
私は彼女にも、昔一度だけ借金の話をしました。でも、現在の金額や返済計画まで全部をちゃんと話せているわけではありません。有耶無耶になっています。
親にも全額は言えていない。彼女にもちゃんと話せていない。
この二重の未整理があると、結婚の話は重くなります。
結婚を考えるなら、相手に説明する前に、自分の中で親への説明も整理しないといけない。
ここは、借金があると結婚できないのかや、借金を彼女にちゃんと言えてないの記事にもつながる話です。
FAQ:親に借金を言えないまま返す時の疑問
親に借金を言わないのは悪いことですか?
一概には言えません。成人した本人の借金で、親に保証人や肩代わりを頼まず、返済も回っているなら、すべてを話さない選択もあり得ます。ただし、親に借りる、親名義を使う、同居で督促が届く、返済が崩れている場合は、話す必要性が高くなります。
親に借りるしかないと言われたら、借りるべきですか?
すぐ借りる前に、借金総額、返済不能額、毎月返せる金額、専門家相談の有無を分けた方がいいです。家族から借りるなら、口約束ではなく返済表を作るべきです。外の借金を家族内の感情問題に変えないためです。
一部だけ親に話した状態は、言ったことになりますか?
言った部分はあります。でも、全額を話していないなら「全部話した」とは言えません。私も信金分は話しましたが、公庫の約200万円はまだ話せていません。だから、親には一部だけ話したが、全額は言えていない、と分けています。
親に話す前に何を準備すればいいですか?
借入先ごとの残高、毎月返済額、延滞の有無、親に借りたいのか借りないのか、今後増やさないために何をしているのかをメモします。感情だけで話すより、数字を先に出した方が会話が崩れにくいです。
まとめ:親に言えないまま返すなら、言えていない差分を見る
親に借金を言えないまま返すのは、間違いなのか。
今の私の答えは、こうです。
言えないまま返すこと自体が、すぐ間違いとは限らない。
でも、何を言えていて、何を言えていないのかを見ないまま返すのは危ない。
私は信金の分は話しました。けれど、公庫の約200万円はまだ言えていません。
だから、「親に言えない借金500万」というタイトルは、私にとって今も終わっていない話です。
言えた分がある。言えていない差分がある。
その差分を見ないまま、親に言えたことにはしない。
まずは、そこからだと思っています。
親に言う前に、専門家に無料で相談する
司法書士法人による無料相談(認定司法書士・簡裁訴訟代理権の範囲内)。相談するかどうかは自分で選べます。
※広告リンクです。相談は無料ですが、手続きに進む場合は費用が発生します。


コメント