住宅ローンの返済がきつい時、「親や親族に借りるしかないのか」と考える瞬間があります。
毎月の返済額だけなら、まだ数字の問題に見えます。でも家の返済は、家族の生活、親族からの援助、夫婦や親子の感情、将来の住まいまで絡みます。外のローンが終わっても、家族内の返済だけが長く残ることもあります。
私の家でも、家の返済をどう続けるか、親族から借りたお金をどう返すか、何年単位で見ないといけない場面がありました。だから、住宅ローンが苦しい時に「今月だけ借りる」で済ませたくなる気持ちはわかります。ただ、家族から借りる前に分けないと、返済より感情の方が重く残ります。
この記事では、住宅ローン返済がきつい時に、親や親族に借りる前に確認することを整理します。追加借入やリースバックを勧める記事ではありません。まず、足りない月額、何ヶ月持つか、家族内借入の記録、金融機関への相談、売却やリースバックの注意点を分ける記事です。
まず「足りない月額」と「何ヶ月持つか」を出す
住宅ローン返済がきつい時、最初に見るのは感情ではなく月額です。
「もう無理」「親に借りるしかない」と思っている時ほど、実際には何が足りないのかがぼやけています。家計全体が赤字なのか、住宅ローンだけが重いのか、ボーナス払いだけがきついのか、他の借金も重なっているのか。ここを分けます。
最初に出す数字
- 毎月の住宅ローン返済額
- 管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険など家にかかる固定費
- 食費、通信費、保険料、教育費、車など生活固定費
- カードローン、リボ、分割払いなど住宅ローン以外の返済
- 今月足りない金額
- 貯金や援助なしで何ヶ月持つか
この時点で大事なのは、「親族にいくら借りるか」ではありません。
毎月いくら足りない状態が続くのかです。
一度だけ10万円足りないのか。毎月5万円ずつ足りないのか。ボーナス月だけ30万円足りないのか。ここが違うと、解決策も違います。
一時的な不足なら、家族内の立替や固定費見直しで戻せることがあります。毎月赤字なら、1回だけ親族に借りても、数ヶ月後にまた同じ話になります。住宅ローンが苦しい時こそ、「今月を埋める」より「赤字が続く構造」を先に見ます。
住宅ローン以外の借金もあるなら、先に現在地を分ける
住宅ローンだけでなく、カードローン、リボ、滞納、督促も混ざっているなら、家族に借りる前に借入全体を見た方が安全です。借入先の数、延滞、毎月返せる金額を分けるだけでも、相談すべき先が見えやすくなります。
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親や親族に借りる前に確認する3つのこと
親や親族に借りること自体が、必ず悪いわけではありません。
ただ、住宅ローン返済のために家族から借りる時は、普通の小さな貸し借りより重いです。金額が大きくなりやすく、返済期間も長くなりやすく、家や相続の話に近づくからです。
借りる前に、最低でも次の3つを分けます。
1. 一時的な立替か、長期の家族内借入か
一時的な立替なら、いつ返すかを決めれば済むことがあります。
でも、数ヶ月以上続く不足を親族に埋めてもらうなら、それは長期の家族内借入です。「落ち着いたら返す」では足りません。毎月いくら返せるのか、何年かかるのか、途中で返せなくなったらどうするのかまで決めないと、後でこじれます。
2. 返す前提か、援助として受け取るのか
家族間で一番こじれやすいのは、「貸したつもり」と「助けてもらったつもり」がずれることです。
片方は返してもらうつもりで渡した。もう片方は生活が立ち直るまでの援助だと思っていた。数年後にこのズレが出ると、金額以上に関係が傷つきます。
返す前提なら、返済表を作ります。返さない前提の援助なら、税務や相続に絡む可能性も含めて、金額が大きい場合は専門家に確認します。
3. 自分の生活を守れる返済額か
親族に借りたあと、外の住宅ローンと家族内返済を同時に返すことになります。
住宅ローンを払うために親族から借りたのに、その親族への返済で生活がまた詰まるなら、問題は先送りです。家族に迷惑をかけたくない気持ちで無理な返済表を作ると、結局また払えなくなります。
住宅ローン返済がきつい時は、いい顔をした返済表ではなく、続く返済表を作ることです。
家族内借入は、返済表とメモを残す
家族から借りるなら、紙でもメモアプリでもいいので記録を残します。
これは、相手を疑うためだけではありません。後から記憶が変わるからです。
最初は「困った時はお互いさま」と言っていた。数年後に「まだ返ってきていない」と言われる。逆に、借りた側は「援助だと思っていた」と言う。こうなると、法律より先に感情が燃えます。
家族内借入メモに残すこと
- 誰が誰に渡したお金か
- 返す前提なのか、援助なのか
- 金額はいくらか
- いつから毎月いくら返すか
- 利息をつけるのか、つけないのか
- 返せない月が出た時にどうするか
- 家族の誰まで共有するか
- 住宅ローンや他の借金がどうなったら見直すか
金額が大きい場合、贈与税や相続、共有名義、保証、抵当権などに触れる可能性もあります。この記事では個別判断はできません。家や相続が絡むなら、税理士、司法書士、弁護士などに確認してください。
家族の借金や肩代わりの考え方は、家族の借金は払わないといけない?親・兄弟・保証人・肩代わりの確認順でも整理しています。住宅ローンの話と家族内借入が混ざっているなら、先にそちらも読んでください。
追加で借りる前に、固定費と保険を見直す
住宅ローン返済がきつい時、やりがちなのは「足りない分をどこかから借りる」ことです。
でも、毎月赤字の家計に新しい借入を足すと、翌月以降の返済がさらに重くなります。住宅ローン、カードローン、親族への返済、リボ、税金、保険料。支払先が増えるほど、何から払うべきか見えなくなります。
追加で借りる前に、まず固定費を見ます。
- 使っていないサブスク
- 高い通信費
- 車の維持費
- 保険料
- 教育費や習い事
- 外食、コンビニ、少額決済
- リボ払いや分割払いの手数料
保険は、必要なものまで雑に切ると危ないです。特に住宅ローン返済中は、団体信用生命保険、火災保険、地震保険、家族の保障と絡みます。保険料だけを見て解約するのではなく、「残すもの」「下げるもの」「解約していいもの」を分けます。
ただし、保険や家計相談を受ける場合も、相手が何を売っている窓口なのかは見てください。家計改善のつもりが、不要な契約を増やすなら意味がありません。
固定費を削っても返済が回らないなら
住宅ローン以外の借金返済が家計を圧迫している場合、固定費の見直しだけでは足りないことがあります。借入先、毎月の返済額、延滞の有無を先に分けると、金融機関に相談する話と債務整理を聞く話を分けやすくなります。
滞納しそうな時は、金融機関へ早めに相談する
住宅ローンで一番避けたいのは、怖くなって連絡を止めることです。
支払いが遅れそうな時は、滞納してからではなく、早めに借入先の金融機関へ相談します。住宅金融支援機構も、融資の返済で困っている人向けに返済方法の変更メニューを案内しており、具体的な申請手続きは返済中の金融機関へ連絡するよう案内しています。
返済方法の変更には、たとえば次のような考え方があります。
- 返済期間を延ばして毎月の返済を下げる
- 一定期間、返済額を減らす
- ボーナス返済分を見直す
- 返済方法変更メニューを組み合わせる
使えるメニューや手続き名は、借入先や住宅ローンの種類によって変わります。ここでは「こういう相談の方向がある」と見るにとどめ、実際には返済中の金融機関で確認してください。
ただし、変更できるかどうかは審査があります。希望通りになるとは限りません。また、返済方法の変更によって総返済額が増えることもあります。
だからこそ、相談前に次の情報をまとめます。
金融機関へ相談する前のメモ
- 毎月の住宅ローン返済額
- ボーナス払いの有無
- 収入が下がった理由
- いつから苦しくなったか
- 今月は払えるのか、払えないのか
- 住宅ローン以外の返済額
- 親族から借りる予定があるか
- 今後、毎月いくらなら返済できそうか
ここで嘘をついたり、見栄を張ったりしない方がいいです。金融機関に怒られたくない気持ちはありますが、続かない返済額を言っても、また詰まります。
売却やリースバックを検討するのはどんな時か
住宅ローン返済が本当に続かない時、売却、任意売却、リースバックという言葉が出てきます。
ここは慎重に見てください。
リースバックは、自宅を売却し、その後は家賃を払いながら同じ家に住み続ける仕組みです。「家に住み続けられるならいい」と見えますが、万能策ではありません。
国民生活センターは、住宅のリースバック契約について、長時間・強引な勧誘、契約内容を十分に理解していないケース、家賃が上がって支払えなくなるケースなどを注意喚起しています。不動産業者へ自宅を売却した場合、契約後に簡単には戻せないことも注意点として挙げています。
検討するなら、最低でも次を確認します。
- 売却価格が相場と比べてどうか
- 住宅ローン残債を返せるのか
- 売却後の家賃を払い続けられるのか
- 何年住める契約なのか
- 更新条件や家賃改定の条件
- 買戻し条件がある場合、その金額と期限
- 家族全員が理解しているか
- 消費生活センターや専門家に相談したか
リースバックは、「住み続けられる」という言葉だけで判断しない方がいいです。売却後は所有者ではなく賃借人になります。家賃を払えなければ住み続けることも難しくなります。
売却や任意売却を考える段階なら、家族だけで決めず、金融機関、不動産の専門家、弁護士、消費生活センターなど複数の窓口で確認してください。
住宅ローン以外の借金もあるなら、債務整理も分けて聞く
住宅ローン返済がきつい原因が、住宅ローンだけとは限りません。
カードローン、リボ払い、消費者金融、税金、車のローン、教育費、事業資金。これらが重なって住宅ローンまで払えなくなっているなら、住宅ローンだけを金融機関に相談しても足りないことがあります。
住宅金融支援機構の案内にも、返済方法の変更を行っても他の返済を抱えて返済継続が難しい場合は、個人版民事再生法を利用する方法もあり、弁護士など法律の専門家への相談が案内されています。
住宅を残したい場合、個人再生が関係することもあります。ただし、誰でも使えるわけではありません。住宅ローンの種類、滞納状況、収入、他の借金、保証人、税金などで変わります。
任意整理の費用が怖い場合は、任意整理の費用が払えない時に、相談前に見ることへ。うつ病や体調不良で返済が回らない場合は、うつ病で借金が返せない時に最初に分けることも読んでください。親に借金相談を言えない場合は、借金相談を親に言えない人へに分けています。
住宅ローン以外の返済も重いなら
住宅ローンを守るために、他の借金をどう整理するかを聞く段階かもしれません。借入先の数、延滞、毎月返せる金額を分けると、金融機関への相談と債務整理の相談を分けやすくなります。
やってはいけないこと
住宅ローン返済がきつい時ほど、短い逃げ道に見えるものが出てきます。
でも、次は避けてください。
- 足りない月額を出さないまま、親族に借りる
- 家族内借入を口約束だけで済ませる
- 住宅ローンを払うためにカードローンやリボを増やす
- SNSの個人間融資に連絡する
- クレジットカード現金化に近い方法へ進む
- 金融機関からの連絡を無視する
- リースバックを「住み続けられるから安心」とだけ見て契約する
- 売却価格、家賃、契約期間、更新条件を家族で確認しないまま契約する
金融庁は、SNS等の個人間融資について、違法な高金利や個人情報悪用などの危険を注意喚起しています。住宅ローンの穴を埋めるために外から危ないお金を入れると、家を守るつもりが、別の借金を増やすことになります。
まず、借入先の金融機関へ相談する。家計を分ける。家族内で借りるなら記録を残す。住宅ローン以外の借金が重いなら、法テラスや弁護士・司法書士に相談する。順番を崩さないことが大事です。
FAQ:住宅ローン返済がきつい時の疑問
住宅ローン返済がきつい時、親に借りてもいいですか?
一時的な立替なら選択肢になることはあります。ただし、毎月赤字が続く状態なら、親族に借りても数ヶ月後にまた詰まります。借りる前に、足りない月額、何ヶ月持つか、返済表、返せない時の扱いを決めてください。金額が大きい場合は税務や相続の確認も必要です。
住宅ローンを滞納しそうな時は、いつ金融機関へ相談すべきですか?
滞納してからではなく、支払いが難しいと分かった時点で早めに相談した方がいいです。返済方法の変更には審査があり、書類や時間が必要になることがあります。今月払えるか、今後いくらなら払えそうかをメモして相談してください。
返済方法を変更すれば、住宅ローンは楽になりますか?
返済期間の延長、一定期間の返済額減額、ボーナス返済の見直しなどで、毎月の負担が下がる場合があります。ただし、希望通りになるとは限らず、総返済額が増えることもあります。金融機関の説明を受け、変更後も返済を続けられるか確認してください。
住宅ローンのためにカードローンで借りるのはありですか?
基本的には慎重に考えた方がいいです。住宅ローンを守るために別の高い返済を増やすと、翌月以降の家計がさらに重くなります。追加借入の前に、金融機関への相談、固定費の見直し、住宅ローン以外の借金整理を確認してください。
リースバックなら家に住み続けられますか?
リースバックは、自宅を売却し、家賃を払いながら住み続ける仕組みです。ただし、「この先も同じ家に住める前提」として見ない方がいいです。家賃、契約期間、更新条件、買戻し条件、売却価格、家族の理解を確認し、不安があれば消費生活センターや専門家に相談してください。
住宅ローン以外の借金もある場合、どこに相談すればいいですか?
住宅ローンの返済条件は借入先の金融機関へ、カードローンやリボなど他の借金整理は弁護士・司法書士・法テラスへ相談します。家計や生活費が崩れている場合は自治体の生活相談も使います。ひとつの窓口で全部を解こうとせず、住宅ローン、他の借金、生活費を分けて相談してください。
まとめ:親族に借りる前に、返済が続く形を作る
住宅ローン返済がきつい時、親や親族に借りることだけを考えると、今月の穴は埋まるかもしれません。
でも、毎月赤字が続くなら、穴はまた開きます。
先に見るべきなのは、この順番です。
- 足りない月額はいくらか
- 何ヶ月持つか
- 親族に借りるなら、返済表とメモを作れるか
- 固定費や保険を見直しても足りないのか
- 金融機関へ返済方法変更を相談したか
- 住宅ローン以外の借金も整理する必要があるか
- 売却やリースバックを本当に理解しているか
家の返済は、金額だけでなく家族の感情も残ります。親族に借りるなら、きれいな言葉ではなく、続く返済表を作ってください。滞納しそうなら、家族会議だけで抱えず、金融機関や専門窓口に早めに相談してください。
住宅ローン以外の借金で家計が崩れているなら
家を守るためにも、他の借金の現在地を先に分けてください。借入先、延滞、毎月返せる金額が見えると、金融機関に話すことと、専門家に聞くことを分けやすくなります。司法書士法人による無料相談(認定司法書士・簡裁訴訟代理権の範囲内)。
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参考: 住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」、住宅金融支援機構「ご返済中の方」、国民生活センター「強引に勧められる住宅のリースバック契約にご注意!」、金融庁「SNS等を利用した『個人間融資』にご注意ください!」、法テラス「借金に関するよくある相談」(2026年6月22日確認)。


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