「もしかしてADHDかもしれない」。そう思い始めたのは、20代後半の頃だった。仕事のミスが多い、先延ばし癖がひどい、衝動的に買い物をしてしまう。「性格の問題」だと思って何年も自分を責めていたが、ある日ネットでADHDの症状を読んで「全部当てはまる」と気づいた。
俺は実際にADHDの診断を受けている。診断を受けるまでの道のり、検査の内容、診断後に変わったこと。全てを正直に書く。「自分もADHDかも」と思っている人に向けた記事だ。
ADHDの診断を受けようと思ったきっかけ
きっかけは複合的だった。仕事で同じミスを何度も繰り返す、重要な書類を期限までに提出できない、会議中に集中力が途切れて全く頭に入らない。上司には「やる気があるのか」と何度も言われた。やる気はある。でもできない。この「やりたいのにできない」感覚が、最も苦しい部分だった。
決定打になったのは、FXで268万円を溶かしたことだ。冷静に考えれば損切りすべき場面で、衝動的にポジションを追加し続けた。「次は取り返せる」という根拠のない確信に支配されていた。損失が膨らんでも止められない。この異常なまでの衝動性に、ようやく「これは性格の問題じゃないかもしれない」と思った。
ADHDの診断はどこで受けられるか
精神科・心療内科
ADHDの診断ができるのは精神科医または心療内科医だ。「成人の発達障害の診断ができます」と明記しているクリニックを選ぶのが確実だ。一般の精神科・心療内科でも対応可能な場合があるが、発達障害に詳しくない医師だと「うつ病」「適応障害」「不安障害」として診断され、背景のADHDが見落とされることがある。
初診の予約は混んでいることが多い。特に大都市圏の発達障害専門クリニックは、初診まで数ヶ月待ちということも珍しくない。「思い立った時にすぐ予約する」が鉄則だ。ADHDの先延ばし特性で予約すら先延ばしにしがちだが、ここが最初のハードルだ。
発達障害支援センター
各都道府県に設置されている発達障害者支援センターでも相談が可能だ。直接診断はしないが、適切な医療機関の紹介や、診断後の生活支援の情報を得られる。費用は無料なので、どこに行けば良いか分からない場合はまず支援センターに電話してみるのが良い。
ADHD診断の流れ
1. 問診
初診では、現在の困りごと、幼少期の様子、学校生活、職歴などを詳しく聞かれる。ADHDは「生まれつきの脳の特性」であるため、子供の頃から症状があったかどうかが重要な判断材料になる。可能であれば、母子手帳や通知表を持参すると診断の精度が上がる。
2. 心理検査
WAIS-IV(ウェクスラー式知能検査)が代表的だ。知能を測る検査だが、ADHDの場合は「処理速度」や「ワーキングメモリ」のスコアが他の項目に比べて低くなる傾向がある。検査には2〜3時間かかる。集中力が持たないこと自体がADHDの証拠になるとも言えるが、とにかく非常に長く感じる。
その他、CAARS(ADHDの自己評価尺度)やAQ(自閉スペクトラムの傾向を調べるもの)などが併用されることもある。ADHDとASDが併存するケースは少なくないため、両方を調べるクリニックが増えている。
3. 診断結果の告知
検査結果をもとに、医師がADHDかどうかを判断する。ADHDには「不注意優勢型」「多動・衝動性優勢型」「混合型」の3タイプがある。俺は混合型に近いと言われた。不注意でミスが多く、同時に衝動性が高い。FXに突っ込んだのも、買い物で散財するのも、この衝動性の表れだ。
ADHDと診断されたらどうなるか
薬物治療
ADHDには薬物治療の選択肢がある。日本で処方可能な主な薬は、コンサータ(メチルフェニデート)、ストラテラ(アトモキセチン)、インチュニブ(グアンファシン)、ビバンセ(リスデキサンフェタミン)の4種類だ。
コンサータとビバンセは中枢神経刺激薬で、即効性がある。飲んだ日から効果を感じる人も多い。ストラテラとインチュニブは非刺激薬で、効果が出るまで数週間かかるが、依存性のリスクが低い。どの薬が自分に合うかは個人差が非常に大きいため、医師と相談しながら調整していく。
生活の工夫
薬だけで全てが解決するわけではない。タスク管理アプリの活用、ノイズキャンセリングイヤホンの使用、ToDoリストの習慣化、スマホの通知オフなど、環境を整えることも重要だ。ADHDの忘れ物対策で具体的な対策を書いた。
診断を受けて変わったこと
診断を受けて一番大きかったのは、「自分を責めなくなった」ことだ。これまで「努力不足」「怠け者」と思っていたことが、脳の特性だと分かった。もちろん、ADHDだからといって全てが許されるわけではない。しかし「できない原因」が分かったことで、対処法を考えられるようになった。自分を責め続ける不毛なループから抜け出せたのが、診断の最大の価値だったと思う。
ADHDの診断にかかる費用と期間
初診料は保険適用(3割負担)で約2,000〜5,000円。心理検査(WAIS-IVなど)は保険適用なら約1,500〜3,000円だが、自費の場合は1万〜3万円程度かかることもある。クリニックによって差が大きいので、事前に電話で確認することをおすすめする。
初診から診断確定までの期間は、通常2〜4回の通院で1〜3ヶ月程度。初診予約までの待ち時間を含めると、最短でも2〜3ヶ月、長い場合は半年以上かかることもある。特に人気のクリニックは予約待ちが長いため、早めに動くことが重要だ。
ADHDの診断を受けるべきか迷っている人へ
「グレーゾーンだったらどうしよう」「診断されたらショックを受けるかも」。そう思って受診を先延ばしにしている人は多い。気持ちは分かる。俺もそうだった。「ADHDだと確定したら、自分はダメな人間だと証明されてしまう」と怖かった。
でも実際は逆だった。診断は「ダメの証明」ではなく「対策のスタートライン」だ。原因が分からないまま自分を責め続けるのと、原因を知って具体的な対策を打てるのとでは、その後の人生の質が根本的に全く違う。
ADHDの衝動性は、お金の管理にも直結する。俺のように借金を抱えてしまう人は少なくない。ADHDと借金の関係で詳しく書いたが、ADHDと借金は密接に関係している。
参考情報:厚労省 こころの相談窓口
ADHDの衝動性で借金を抱えているなら
ADHDの衝動買いやFXの損失で借金が膨らんでいるなら、借金問題も並行して対処する必要がある。放置すると利息で状況は悪化する一方だ。
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