英ポンド/米ドル(GBP/USD)、いわゆる“ポンドル”(以下同)の攻略法はあるのでしょうか?値動きの特徴を挙げながら、必勝法となりうる戦略を探したいと思います。
【総論】ポンドルの値動きの特徴
まず総じて、ポンドルの値動きの特徴を挙げます。
幾何学的で綺麗な波形、セオリー通りの形を描きがち
ポンドルはラインチャートで見たときに、幾何学的でフラクタルな形をしていることが多い印象です。さらに、三尊やグランビルの法則などの王道パターンに忠実な形をしていることが多く、特定のEMAなどに忠実に反応している印象があります。このような値動きが多いと、投資の教科書でトレードを学んだばかりという初心者でも、比較的値動きが読みやすいことが考えられます。(ただし当然、騙しのような動きをすることもあるので常に注意が必要です。)
高値・安値更新がトレンド継続を示すことが多い
またポンドルは、高値を切り上げたり安値を切り下げたりした場合にそのままトレンドが継続しやすいと筆者は考えます。
合成通貨のクロス円などでは高値・安値を若干更新してから逆行することもしばしばあり、いわゆる“ダウ理論”に忠実に臨んでいると、痛い目を見ることがしばしばあります。しかしポンドルでは、高値・安値を更新したことがトレンド継続を意味することが多い印象です。この見立てが正しければ、ポンドルでは値動きによって損切りや利確の判断がしやすいということになります。
時間帯別の特徴
ここからは、時間帯別の特徴を見ていきたいと思います。
まず、ポンドルが最も動く時間帯は英ロンドン時間、とりわけいわゆる“ロンパチ”(ロンドンの午前8時)前後です。日本だと夏は16時、冬は17時前後となります。ロンドン開場から1時間少々は、ボラティリティが大きくなることが多いです。その後小康状態が続き、再び米ニューヨーク開場時間(日本時間夏:22時半、冬23時半)からある程度動き出します。その後、“ロンフィク”(ロンドン閉場=夏:翌0時、冬:1時)に向けて再び動きが盛り上がり、以後は沈静化することが多いです。なお日本の東京開場時間にはそこまでボラティリティが発生しない印象です。
さて筆者は、その国の市場がオープンしている時間にその国の通貨が買われる傾向があると考えています。ポンドルは、それが顕著です。(もちろん例外の日はあります。)
つまり、ロンドン開場前後(日本時間閉場後)にポンドルが買われることが多く、ニューヨーク開場前後やロンフィク後にポンドルが売られることが多いという印象です。
理由はいくつかあると考えます。為替には実需筋の動きが影響すること、両国間の金利差がほとんどないこと、大西洋を隔てており時差で領国の開場時間がタスキのように引き継がれること、両国が金融大国であること、などです。
時間帯をふまえ、必勝法となる戦略を導き出す
さてこの仮説を踏まえて、ポンドルの必勝法になりうる戦略を導き出したいと思います。
まず一番の狙い目は、最もボラが出るロンドン開場前後でしょう。このあたりではベーシックには、上目線を検討します。そして、RCIで買われすぎ・売られすぎを見てMACDでダイバージェンス・ヒドゥンダイバージェンスが発生していないかをチェックします。ここで“ねじれ”のエネルギーが発生していそうなら、開場前後を契機に一気に値動きが反転する可能性がありそうです。例えば開場前に大きく下げてきたとして、それがいわゆる“騙し下げ”なのか継続する下げなのか。このような例を、上記基準で判別していきます。ちなみにこの時間帯は“欧州狩り”が起きる可能性もあり、例えば上昇する日でも下げから入る、などの可能性もあるので注意が必要です。また先程お伝えしたように、ポンドルは高値・安値更新でトレンドを示す傾向が強いので、損切りラインは直近の高値や安値に置きやすいでしょう。
次の狙い目が、意外にもロンフィク後。ニューヨーク時間の前後でないのは、その辺りでは指数発表が多く、またニューヨーク時間がロンドン時間のトレンドフォローをすることもよくあり、値動きが読みにくいからです。
ロンフィク時には、ポンドが小高くあることが多い印象です。そしてロンフィク後には文字通り、ロンドン勢が減ってニューヨーク勢の実需筋の方が多くいる可能性が考えられます。とにかくこの時間帯には、ポンドルが著しく上がり続けるケースはあまりない印象です。(ただし、指数発表の内容などによっては必ずしもこの限りではないためお気をつけください。)したがって、ロンフィク後に上昇リスクの低さを鑑みてショートでエントリーして、じわ下がりを経て日本時間の昼過ぎなどに利確する、というパターンが狙い目なのです。
もちろん日によって、ロンドン開場に伴いポンドルが下落し、ニューヨーク開場に伴いポンドルが上昇するということもあります。相場に絶対はありません。しかし、時間帯別のベーシックな値動きを抑えていれば、きょうがどのパターンなのか、またどう対処すればいいのかを比較的簡単に場合分けできるようになるのです。
FXは時間帯によって全く異なる値動きをします。そしてとりわけ金利差が少なく時差によって開場時間がタスキのように引き継がれるイギリスのポンドとアメリカのドルからの成り立つこの通貨ペアこそにおいて、時間帯別の値動きの見方や戦略が肝要になってくると思うのです。
この記事の考察をフックに皆さんも、独自のポンドル戦略を検証し、立案してみてください。
ちなみに筆者は、もちぽよさんのサインツールを用いてポンドルを取引しています。とてもオススメです。⬇️⬇️
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