DMM.com証券の「DMM FX」と、GMOクリック証券の「FXネオ」。初心者が取引するにはどちらがおすすめなのでしょうか?普段から両方を使っているプロトレーダーの筆者が、それぞれの特徴を比較しながら紹介します。
DMM FXとGMO FXネオの特徴を比較!
まずは、DMM.com証券「DMM FX」(以下「DMM FX」)とGMOクリック証券「FXネオ」(以下「GMO FXネオ」)の特徴を以下の表にまとめましたので、ご覧ください。
比較項目 | DMM FX | GMOクリック証券(FXネオ) |
---|---|---|
口座開設にかかる日数 | 最短即日(最短30分※休業日や申込内容に不備があった場合は除) | 最短即日 |
取扱通貨ペア数 | 21通貨ペア | 20通貨ペア |
最低取引単位 | 10,000通貨単位 | 1,000通貨単位(ZAR、MXNは10,000通貨単位) |
主な通貨ペアのスプレッド | USD/JPY:0.2銭、EUR/USD:0.3pips | USD/JPY:0.2銭、EUR/USD:0.3pips |
スプレッド固定時間 | AM9:00〜翌AM5:00(原則) | AM9:00〜翌AM3:00(原則) |
出金はいつ? | 当日15時までに受付なら翌営業日、15時以降なら翌々営業日 | 当日15時までに受付なら翌営業日、15時以降なら翌々営業日 |
クイック入金受付時間 | 24時間(※メンテ中は利用不可) | 6:00〜15:00、17:00〜5:30(※提携金融機関の利用時間外は受付不可) |
スワップ実績(例:10月15日火曜日のUSD/JPY) | 201円 | 197円 |
ロスカット条件 | 証拠金維持率が50%以下。手数料はなし | 証拠金維持率50%未満(法人は100%未満)。手数料が1取引単位(10,000通貨)あたり500円(税込)、0.1取引単位(1,000通貨)あたり50円(税込)発生 |
スワップ受取方法 | 「スワップ振替」で未決済でも出金可能 | 随時資産に反映、未決済でも出金可能 |
最大発注量(1回あたり) | 100万通貨 | 通常銘柄:100万通貨、ラージ銘柄:200万通貨 |
建玉上限 | 1億通貨(全通貨ペア合計) | 4,000万通貨(全通貨ペア合計) |
両建て | 可能。買・売の両方に対して証拠金が必要 | 可能 |
注文方法 | 即時注文、指値注文、逆指値注文、IFD注文、OCO注文、IFO注文 | スピード注文、成行注文、指値注文、逆指値注文、IFD注文、OCO注文、IFD-OCO注文 |
PCツール | DMMFX STANDARD、DMMFX PLUS、プレミアチャート | ブラウザ取引画面、はっちゅう君FXプラス、プラチナチャート |
スマホアプリ(ともにデモあり) | DMM FXスマホアプリ(iPhone・Android) | GMOクリック FXneo(iPhone・Android) |
サポート体制(電話受付時間) | 平日24時間(【冬時間】月曜日 07時00分~土曜日 06時50分 【夏時間】月曜日 07時00分~土曜日 05時50分) | 月曜日~金曜日 8:00~17:00 |
外貨両替 | なし | あり |
取引所取引 | 対応なし | 「くりっく365」にて対応 |
双方が日本を代表する証券会社のサービスということもありそれぞれに、甲乙つけがたい長所があります。その中で、筆者が実際に使った経験をふまえて、各項目をピックアップしながら比較していきたいと思います。
私は、初心者がFX業者を選ぶ際に特に注目すべきポイントは①スプレッドの小ささ、②取引したい通貨ペアの取り扱いがあるか、③取引単位、④アプリの操作性、といった点にあると思っています。よって以下に各ポイントごとにフォーカスして、紹介してまいります。
スプレッドはどちらが小さい?
FXでは通貨ペアごとに設定されている為替レートの売値と買値の差のことを「スプレッド」と呼びます。このスプレッドが実質的に取引の際のコストとなるため、できるだけスプレッドの小さいFX業者を選ぶことが重要です。
その観点をふまえ、次の表を見てみましょう。実はDMM FXとGMO FXネオのスプレッドには、ほとんど差がありません。南アフリカランド/円以外は全く同じ値になっています。
通貨ペア | DMM FXスプレッド | GMO FXネオスプレッド |
---|---|---|
米ドル/円 (USD/JPY) | 0.2銭 | 0.2銭 |
ユーロ/円 (EUR/JPY) | 0.4銭 | 0.4銭 |
英ポンド/円 (GBP/JPY) | 0.9銭 | 0.9銭 |
豪ドル/円 (AUD/JPY) | 0.5銭 | 0.5銭 |
NZドル/円 (NZD/JPY) | 0.7銭 | 0.7銭 |
カナダドル/円 (CAD/JPY) | 0.7銭 | 0.7銭 |
スイスフラン/円 (CHF/JPY) | 1.5銭 | 1.5銭 |
南アフリカランド/円 (ZAR/JPY) | 1.0銭 | 0.9銭 |
メキシコペソ/円 (MXN/JPY) | 0.2銭 | 0.2銭 |
トルコリラ/円 (TRY/JPY) | – | 変動 |
ユーロ/米ドル (EUR/USD) | 0.3pips | 0.3pips |
英ポンド/米ドル (GBP/USD) | 1.0pips | 1.0pips |
豪ドル/米ドル (AUD/USD) | 0.7pips | 0.7pips |
NZドル/米ドル (NZD/USD) | 1.3pips | 1.3pips |
米ドル/カナダドル (USD/CAD) | 0.9pips | – |
ユーロ/英ポンド (EUR/GBP) | 1.5pips | 1.5pips |
ユーロ/豪ドル (EUR/AUD) | 2.0pips | 2.0pips |
ユーロ/NZドル (EUR/NZD) | 3.5pips | – |
英ポンド/豪ドル (GBP/AUD) | 2.5pips | 2.5pips |
米ドル/スイスフラン (USD/CHF) | 1.5pips | 1.5pips |
ユーロ/スイスフラン (EUR/CHF) | 2.5pips | 2.5pips |
英ポンド/スイスフラン (GBP/CHF) | 3.5pips | 3.5pips |
他方で、上記の固定スプレッドの時間帯は異なっており、DMM FXの方が若干長くなっています。
- 固定スプレッド時間帯:
DMM FX:午前9時から翌午前5時まで
GMO FXネオ:午前9時から翌午前3時まで - 変動スプレッド時間帯:
DMM FX:午前5時から午前9時まで
GMO FXネオ:午前3時から午前9時まで
しかしどちらも業界最高水準のスプレッドを誇っていると言え、スプレッドだけでどちらかに決めるのは難しいように感じます。
DMM FXとGMO FXネオの取り扱い通貨ペアの違いは?
さて、DMM FXとGMO FXネオが取り扱う通貨ペアには、いくつかの違いがあります。
通貨ペア数の違い
DMM FXは21通貨ペアを、GMOネオは20通貨ペアを取り扱っています。いずれも主要な通貨ペアは網羅していると言えるでしょう。大きな差は以下の通貨ペアの違いです。
個別の通貨ペアの違い
- トルコリラ/円(TRY/JPY)はGMOネオのみで取り扱っています。
- 米ドル/カナダドル(USD/CAD)とユーロ/NZドル(EUR/NZD)は、DMM FXのみで取り扱っています。
これらの通貨ペアを取引したい場合は、いずれかの口座を開設するとよいでしょう。
ラージ銘柄の有無
なお初心者の方にはあまり関係ないかもしれませんが、GMOネオには「ラージ銘柄」という銘柄が設定されています。通常銘柄の最大注文数量は1注文あたり100万通貨ですが、ラージ銘柄は1注文あたり200万通貨となっています。一方で、DMM FXにはラージ銘柄の取り扱いはありません。
最低取引単位の違い
続いて、最低(最小)取引単位に違いがあります。
GMOネオは、1,000通貨単位(南アフリカランドとメキシコペソは10,000通貨単位)から取引することができます。一方でDMM FXは、10,000通貨単位からの取引となります。これは大きな違いと言えるでしょう。
筆者は個人的に、FX初心者は少ない通貨単位から取引を始めるべきだと思っています。なぜなら皆さんが思っている以上に、相場が厳しいものだからです。訓練なしに大金を取引すると、ほぼ確実に資金を減らしてしまいます。あまりイメージできないかもしれませんが実は、たとえ最小単位の「1000通貨」の取引だったとしても、それなりの金額を損してしまう恐れがあるのです。まだ相場に慣れていないうちから大金を失ってしまうと、相場から退場してしまう恐れもあり、危険です。
そのような観点から鑑みると、比較的少ない通貨単位から取引できる「GMO FXネオ」をおすすめすることになるでしょう。
アプリの操作性
スマートフォンでのトレードがポピュラーになっている昨今、アプリの操作性を気に入るかどうかは極めて重要なポイントです。実際にアプリを触っていただければわかることですが、DMM FXとGMO FXネオの双方のアプリを使っている筆者が、それぞれを端的に表現したいと思います。
DMM FXは、直感性を重視したシンプルでスタイリッシュ・ラグジュアリーなデザインだと思います。一方GMO FXネオは、かゆいところに手が届くきめ細やかな設計だと感じます。筆者はDMM FXのアプリの方が使いやすいと感じてしまうのですが、知人に聞き取りを行ったりSNSやインターネットの書き込みを調べたりした限り、どちらが使いやすいと感じるは人によって二分されるようです。
筆者の体感上の話になりますが、直感的かつスピーディーに取引したい場合はDMM FXアプリ、緻密に幅広い視野で取引したい場合にはGMO FXネオの方が、マッチするかもしれません。デモ版もありますので、ぜひそれぞれのアプリを試してみましょう。
その他
以上がメインと考えられるポイントの比較でしたが、最後にそれ以外の部分についても述べておきたいと思います。
例えばロスカットについて。DMM FXは手数料はかかりませんが、GMO FXネオでは手数料が発生します。そもそもロスカットされる状況下でのトレードは全く好ましくありませんが、万が一の場合を鑑みて、このような点も比較ポイントとして考慮すべきかもしれません。
ほかにもクイック入金の受付時間について。筆者はロンドン時間(夏:16時~)から取引をしたいことが多いのですが、「GMO FXネオ」が15時から17時に受け付けていないことが意外とネックになったりします(DMM FXは24時間対応)。このようなリアルに即した要素は、トレードにじわりと効くことがあります。例えばこういった取引に関する制約が気になる方は、複数のFX口座を持っておくと良いかもしれません。
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