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FX初心者必読!絶対にやってはいけないことリスト プロのトレーダーが体験談を交え解説

FX(外国為替証拠金取引)

こんにちは。5年以上のFX(外国為替証拠金取引)取引経験を持つ個人トレーダーの真木直人です。円安や円高の話題などでFXに興味を持ち、始めてみたいと考えている方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、初心者の方がFXを始める際に絶対にやってはいけないこと・注意点を、筆者が解説します。

先に断言しておきますが「FX」は、ともすれば人生を狂わせかねない危険な取引です。この点を最初にご認識ください。そして、にもかかわらず大半のFX初心者が無警戒・無防備なままで、FXに気軽に挑戦してしまいます。筆者はここに、強い問題意識を感じています。

皆さんの身を守ることが、何よりも肝心です。。まずは恥ずかしながら、私の体験談をお話しします。

筆者の痛い実体験・・・生活費と親から預かったお金250万円をFXで溶かす

私は約5年前、FXで250万円もの損失を出してしまいました。相場がここまで激変するものだとは思っていませんでした。明らかに相場を甘く見ていました。そして途中からは損失が膨らみすぎてしまい、それを何とか取り返そうと躍起になり、FXをギャンブルのように繰り返すようになってしまったのです。

その結果、生活費や親から預かった貯金を合わせて250万円分を、なし崩し的にFXにつぎ込み、全額を失ってしまいました。これは家族との信頼関係、自身の将来を鑑みれば絶対にやってはいけないことでした。この時の人生における失望・ダメージは計り知れませんでした。その後、本気で仕事を頑張ったり、金融機関からの借り入れをしたりして、破産だけは免れましたが、人生の一部に大きな影が生まれたのは明確な事実でした。

忸怩たる思いでしたが私は、以後この過去と真摯に向き合い、FX初心者が向き合うべき原理・原則を一つ一つ言語化してきました。筆者が大きな失敗を経験したからこそ、初心者の皆さんにありのままを伝えたいのです。

この記事では、初心者がFXで大損をして人生を不幸にしないことを最大の目的にしたいと思います。この観点で、筆者が「やってはいけないこと・注意点」を重要だと思う順に、「心構え・心理」「行動」の2つに分けて記していきます。

心構え・心理

FXに臨むにあたっては、心構え・心理(メンタル面)が何より大切です。相場は思った通りには動きませんし、不調の時は絶望感や自己嫌悪に陥ってしまうこともあるかもしれません。

(1) FX取引を始める前に、全ての慢心を捨てる

さて、まず最初に、初心者がよく陥ってしまう好ましくない”勘違い”のパターンを例として挙げておきます。慢心というとわかりにくいですが、簡単に言い換えると「FXはほぼ半分の確率で勝てる」「自分に限って破産するはずがない」「自分は優秀なので相場はある程度予想できるに決まっている」といった思い込みのことです。これらは全て間違っています。

FX初心者がよく勘違いしていることの例:

  • 「値は上か下かに動くんだから半分の確率で勝てるだろう」 → その認識は誤っています。まず「スプレッド」と言って取引時に実質費用が掛かります。さらに値動きはあなたが想像以上に速いため、希望の価格で約定するのが難しいケースが多いです。またスワップポイント(金利差で日々付与される調整額)がマイナスの場合、日を跨いだ時にコストとなることがあります。だから、「半分の確率で勝てる」は間違いなのです。
  • 「少額で始めるから絶対に大丈夫」 → 確かに少額で取引を行うことはリスク低減につながりますし、好ましいことです。しかし「レバレッジ」(「てこ」の意で、証拠金として預けた資金の何倍もの金額の取引ができる仕組みのこと)の意味を理解していますか?証拠金(取引による損失が生じた場合でも決済ができるように一定額の金銭を預けておくお金)は十分に準備していますか?また後述しますが、損失が膨らんで損切りできなかったために追加で入金を繰り返し、資金が火の車になるという事例も少なくありません。計画を立て、かつ計画を絶対に守るようにしてください。厳しいことを言うようですが、計画が守れないならFXから手を引いてください
  • 「自分は人よりも論理的思考に優れているから絶対に取引に勝てる」 → この認識はまず、捨ててください。”学生時代にテストの点数がよかった”、”自分は仕事が人よりできる”などといった要素を持っていたとしても、FX初心者が手動で行う取引の質にはほぼ影響しません。例えば、”日米の金利差から考えて今後の値動きは絶対にこうなる”と見立てたとしても、取引には様々な要因が絡み合っており、それはあくまで個人の一次元的な見方(予想)にしかすぎません。市場はあなたが思っている以上にシビアで、時に誰も想像し得ない方向にダイナミックな値動きをします。FXをやるためには、とにかく慢心を捨て去ることが肝要なのです。

(2) 「早く稼げる」「楽に稼げる」などの短絡的な発想を持たない

FXをやった結果お金に困ってしまう人は、少なくありません。代表的な例は、労働者としての自身の普段の賃金や貯蓄が少ないため、できるだけ楽に早く生活を楽にしたいと考えるケースです。ほかにも、親や配偶者などから預かっているお金を急速に増やしたいと考えるケースなどもあります。これらは決して好ましくないパターンです。「今すぐお金が必要で早く稼ぎたいだから」「簡単に稼げそうだから」といった理由でFXを始めるのは、絶対にやめてください

なぜなら、FXにおいて多額の利益を得ること自体が難易度が高く、かつかなりのリスクを伴うものだからです。そもそもFXをギャンブル視して資産を増やすことは完全に間違っています。いわゆる「資産形成」なら、長期的な視点で行うべきです。株式投資の平均的な運用利回りは3~5%程度と言われています。その視点に立てば、FXで急激なスピードで資金を増やしていくことがいかに規格外なことかがご理解いただけるでしょう(みんなが一般的な投資の利率以上をFXで稼げるのなら、すでに大勢の人がFXで資金を大量に稼いでいてそれが話題になっているはずです)。仮にFXを行うとしても、じっくりと学び、少額から始め、経験を積みながら、ほぼ確実に稼げる戦略が見つかってから徐々に取引量を増やしていくべきです。また、お金を稼ぐという観点からは、FX以外の投資方法(株式投資、投資信託など)も合わせて検討すべきでしょう。

急いで楽に大金を稼ごうとする心理が大きな損失を生む原因になることを、絶対に忘れないでください。

(3) 「絶対」という言葉を信じない

そしてこれも必ず覚えておいていただきたいのが、相場に「絶対」ということはあり得ないということです。未来は不確実であり、誰も予想することはできません。相場には複雑な要因が絡み合っています。FXは世界が舞台なので、なおさらです。自身や他人の予想を「絶対」と決めつけないようにしましょう。

「こうなるかもしれないし、こうなるかもしれない」「こうなったときにはこうする」といったように、複眼的な思考を持つようにしましょう。

投資に絶対はありません。あなたは、自分の大切なお金を素性も知らないSNS上の人物に委ねるのでしょうか?そんなことは決してしてはならないと、筆者は考えます。

行動

続けて「行動」面での指針をお伝えします。

(1) 資金管理を徹底する

筆者は「資金管理」こそが、FXで何よりも重要な要素だと思っています。理由は主に次の通りです。

  • 通貨量を過度に多く投下してしまうと、値幅(ボラティリティ)が大きい時やスプレッド(買う時と売る時の差額)が開いたときに、簡単にロスカット(一定の損失が発生した段階で決済して損失を確定させること)水準に到達して損失が出てしまうから。
  • 通貨量が少なければ、ポジションと反対に大きく値が動いても、証拠金率が十分に残り、決済されないから。

多くの初心者が、「レバレッジ」の怖さを知りません。レバレッジ25倍だと、1万円で25万円分の取引ができるということです。一般的には、多くの通貨額(lot)を一気に投下してしまい、さらに損切り(損失を含んだポジションでそれ以上損が膨らまないように決済すること)することもできず、ポジションがロスカット(証拠金が一定水準以下になり強制決済されてしまうこと)されてしまい大きな損失を被るケースが多いように見受けられます。現に筆者もそうでした。

最低通貨量(1,000通貨など※なお「1 lot」の単位がFX会社によって違うのでご注意ください)で取引をしていると利益幅が少なく、初心者の私は「つまらない」「ドキドキしない」「意気地なしみたいだ」とさえ思っていました。しかしそれはリスク管理の点で言えば、大きな間違いです。「証拠金維持率」(「証拠金維持率=純資産÷必要証拠金×100(%)」)という概念があるので、例えばレバレッジ25倍なら、これが数百%(例えば300%以上など)を維持するようにしてください。必要な証拠金の量は戦略によって異なりますので、事前にFX会社の計算サイトなどで試算してから取引するようにしましょう。

そもそも何より肝心なのが、自分が投資に使えるお金がいくらあって、それを取引にいくら使うかを一番初めに考えることです。ルールを決めずに(また守らずに)手元のお金の大半をFXにつぎ込んでしまうことこそが、FXに取り組むうえで最も危険なことなのです。”自分はそんなことをしない”と思っている人でも、FXにのめり込んでしまうと際限がなくなってしまうことがあります。よくあるパターンが、大量の損失が出てもポジションを解消せずにさらに含み損が膨れ上がり、予定外に追加証拠金(追証)を預金口座から引き出してしまうケース。そして決済した損失を取り返すために、際限なく新たに資金を口座からつぎ込んでしまうケースです。生活費や、家族から預かっているお金、今後の予定のために貯蓄していたお金でFXをしては、絶対にいけません。結果的にあなたと家族の人生を狂わせてしまいます。

(2) 自分のルールを守る

自分で定めた取引ルールを守れない人は投資に向いていない、投資をしない方がいい」という命題は本質的であり、的を得ていると言って過言ではありません。度重なるルールの変更は間違いなく、損失を拡大させることにつながります。

「最初は10万円で始めた取引で利益が出て嬉しくなり、さらに多額を積んでしまって今度は大規模な損失が出て、それを取り返すため(埋めるため)に預金口座から出金をする」「大損を出してしまい、これを取り返すためにハイレバレッジの海外FX業者を使い、クレジットカードで多額の借金を作ってしまう」など、ルールなき取引で多大な損害が出る例はおそらく、枚挙にいとまがないはずです。

こういった事態を招かないために、具体的なルールを策定してみましょう。

  • 損切りラインの設定:例えば、「5%以上の損失が出たら必ず決済する」というルールを設け、それを絶対に守ること。
  • 利益確定ライン:「10%の利益が出たら半分を決済する」などのルールを設定し、利益を確実に確保すること。
  • 1日の取引限度額:「1日の取引額は証拠金の20%まで」など、過度な取引を防ぐルールを設けること。
  • 冷却期間の設定:大きな損失を出した後は、例えば「1週間は取引を控える」など、冷静さを取り戻すための期間を設けること。

(3) 海外の高レバレッジFX業者を使わない

そして意外にも知られていないのが、海外のFX業者が存在しており国内からも物理的にはトレードできてしまうことです。

海外のFX業者の中には、1000倍を超えるような非常に高いレバレッジを提供しているところがあります。これは一見、少額で大きな取引ができるため魅力的に映るかもしれません。しかし、これは極めて危険なものなのです。高レバレッジによって、わずかな相場の変動で口座残高がゼロになったり、借金を背負ったりするリスクが非常に高くなります。

そもそも日本の金融庁の規制対象外であるため、トラブルが発生しても保護を受けられない可能性が高いです。金融庁は現に、「無登録で金融商品取引業等を行う者」として海外のFX業者をリストアップしています。

さらに、クレジットカードで入金できる業者もありますが、これは実質的に借金でFXを行うことになり、最悪の場合、カード返済ができずに多重債務に陥る可能性もあります。実際に、高レバレッジのFXで大損し、クレジットカードの返済に追われて生活が破綻したという事例も少なくありません。

安全性と信頼性を重視し、日本の金融庁に登録された国内のFX業者を利用することを強くお勧めします。

(4) 詐欺に引っかからない 「絶対稼げる」は全てうそ

さて、意外と盲点なのが、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSで、FXにまつわる詐欺被害に遭ってしまうケースが多いということです。「〇〇先生の」「神トレードを教えます」などと謳ってトレードのコンサル生を募集していたり、「絶対に稼げる」などと吹聴して自動売買ツールを販売していることが多いようです。

まず「絶対稼げる」といった類の文句は、全て詐欺です。投資に絶対はありません。基本的にはSNSで集客しているようなアカウントはほとんど詐欺師である、といった前提で判断した方がよいでしょう。

最後に体験談

そう言っても実感が湧かないと思うので、筆者の体験談を話します。私はSNSで見つけた「絶対に儲かるFX手法」に騙されてしまい、クレジットカードで借金をしてFXに手を出し、返済に追われる日々を送ることになりました。このような悲惨な経験をしないために、以下の点に注意してください。

【まとめ】慢心は全て捨てる。お金や周りの人を大切にすること。FXをやらない勇気も!

ここまでご覧いただきありがとうございました。様々なことをお話ししましたが、ここに記したことはFX初心者が身を守るために最低限、必要不可欠だと考えています。

端的にまとめると、あらゆる慢心を全て捨て去るべきだということです。人はどこか、「自分のやり方は優れているに違いない」「できるだけ簡単にお金が稼ぎたい」などといった気持ちを密かに抱えているものです。それは人間の性(さが)だと言わざるを得ないでしょう。ゆえに、それを見越して、実際にどう動くかが重要なのではないでしょうか。

どうか、お金や周りの人を大切にしてください。今回記したことがきちんと全て守られていれば、FXで人生の一部を台無しにしたり、他の人に迷惑をかけたりすることはなくなるはずです。

そして本末転倒ですがそもそも、「FXをやらない勇気」も大切です。あなたの人生において今、FXでの投資がどうしても必要ですか?それなりの労力とハイリスクを賭けてまで、特定の通貨ペアを今すぐ取引する理由はありますか?20代なら、自己投資にお金を投じた方がよいかもしれません。またFX以外に、「新積立NISA」や投資信託などの、より着実な投資方法があるかもしれません。どうか冷静に考えてください。FXをやるべき明確な根拠が見つからないのなら、あなたがFXを単純に興味で捉えていたり、”ギャンブル視”している可能性さえあります。FXは断じて、ギャンブルとしてすべきものではないのです。何よりあなたがあなた自身のことを大切にして、人生が豊かになるようことを念頭に、最善の選択をしてください。

お説教のようになってしまいましたが、それでもFXを始めたいという方は、ご自身のお好みのFX会社でトレードを始めてみてください。自己実現ができますように。もし不安なことがあれば、信頼できる人や専門家に相談することを、おすすめします。

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