学生時代から忘れ物が多かった。大人になっても治らない。
家の鍵、財布、スマホ、定期券。「あそこに置いたはず」が毎日ある。会社に必要な書類を忘れる、約束を忘れる、薬を飲み忘れる。
ADHDの診断を受けてから、「忘れ物が多いのは性格ではなく脳の特性」だと分かった。そして「気をつける」では治らないことも。代わりに、仕組みで対処する方法を見つけた。
目次
ADHDの忘れ物が多い理由
ADHDの忘れ物は「注意力の問題」ではなく、ワーキングメモリ(作業記憶)の弱さが原因だ。「鍵を持つ」という情報が、次の行動(靴を履く、ドアを開ける)に上書きされて消えてしまう。
だから「気をつけろ」は意味がない。気をつけるための脳のリソースが足りないのが問題なのだから。
ADHDの忘れ物対策 ── 大人の私が実際にやっている7つ
- 「定位置」を絶対にする ── 鍵、財布、スマホは帰宅したら必ず同じトレイに置く。例外なし。「ちょっとテーブルに」を許すと次の日に30分探すことになる
- 玄関に「出かける前チェックリスト」を貼る ── 紙に書いて玄関のドアに貼る。「鍵・財布・スマホ・定期券」。アプリより物理的な紙のほうが効く
- リマインダーアプリを使う ── 約束や予定は全てGoogleカレンダーに入れて、30分前に通知を飛ばす。「覚えておく」を諸めて、全て機械に任せる
- 薬は「歯磨きの横」に置く ── 毎日確実にやる行動(歯磨き)の横に薬を置く。行動を連鎖させる(ハビットスタッキング)
- Apple Watchのリマインダー ── スマホは通知を見逃しやすいが、腕の振動は気づく。ADHDとApple Watchの相性は良い
- カバンの中身を毎晩リセットする ── 帰宅後にカバンの中身を全部出して、翌日必要なものだけ入れ直す。「昨日のまま」にすると、不要なものが溶まり、必要なものが埋もれる
- 「忘れたらどうするか」を決めておく ── 忘れ物はゆる。完全になくすのではなく、忘れた時のリカバリープランを持つ。予備の鍵、交通系 ICカードのモバイル登録、キャッシュレス決済
「気をつけろ」で治らないことを受け入れる
ADHDの忘れ物対策の本質は、「自分の記憶を信用しない」ことだ。「覚えておこう」ではなく、「覚えておけない前提で動く」。この発想の転換ができると、忘れ物によるストレスは劇的に減る。
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この記事は筆者の個人的な体験に基づくものであり、医学的な助言を目的としたものではありません。ADHDの症状や治療については医療機関にご相談ください。