「何がしたいかわからない」——この言葉をGoogleに打ち込んだことがある人は、たぶん一度や二度じゃないと思う。
私もそうだった。転職サイトを開いては閉じ、適職診断を何個もやっては「当たってない」と思い、結局何も動けないまま数年が過ぎた。やりたいことがないわけじゃない気がする。でも「これだ」と言い切れるものがない。その中途半端な状態がずっと続くのは、想像以上にしんどかった。
「何がしたいかわからない」は怠けではない
「やりたいことが見つからないのは努力不足だ」と自分を責めている人は多い。でも実際は、構造的な原因があることがほとんどだ。
・幼少期から「やりたいこと」より「やるべきこと」を優先させられてきた
・過去に本気を出して否定された経験があり、欲求を抑える癖がついている
・選択肢が多すぎて、逆に選べなくなっている
・ADHDやHSPなど、興味の対象が移りやすい・刺激に敏感な特性がある
・「間違えたくない」という完璧主義が強い
私の場合、「本気を出すと周囲から浮く」という経験を学生時代から繰り返してきた。真剣にやろうとすると排除される。それが何度も続くと、やりたいことがあっても口に出せなくなる。やりたいことを持つこと自体がリスクに感じるようになる。こうして「何がしたいかわからない」状態ができあがる。
自己分析をしても答えが出ない理由
「まず自己分析をしましょう」——キャリア系の記事には必ずこう書いてある。ストレングスファインダー、MBTI、価値観リスト。私もひと通りやった。結果を見て「ふーん」と思って、それで終わった。
自己分析が効かない理由は単純で、自分のことは自分では見えないからだ。自分が「当たり前にできること」は強みだと気づかない。逆に苦手なことばかり目につくから、「自分には何もない」と結論づけてしまう。
もうひとつの問題は、自己分析には「問いかけてくれる他者」がいないことだ。ノートに書き出しても、自分の思考の枠内でぐるぐるするだけ。新しい視点が入らないから、新しい答えも出ない。何ヶ月やっても同じ場所にいる。
転職エージェントでは解決しない
「何がしたいかわからない」状態で転職エージェントに相談しても、たいてい噛み合わない。エージェントの仕事は「求人とあなたをマッチングすること」であって、「あなたが何をしたいか一緒に考えること」ではないからだ。
「どんな仕事がしたいですか?」と聞かれて「それがわからないんです」と答えると、会話が止まる。そこから「とりあえずこの求人どうですか」と提案されても、判断基準がないから選べない。エージェントが悪いのではなく、そもそも「自分の軸が定まっていない人」を対象にしたサービスではないのだ。
「やりたいこと」を探すのをやめた
私は途中から「やりたいことを見つけなきゃ」という考え自体を手放した。
振り返ると、「やりたいこと」に固執していた時期は、「他人に説明できるような、かっこいいやりたいこと」を探していた。「これが私の天職です」と言えるようなもの。でもそんなものは、実際にやってみるまでわからない。
代わりに考えたのは「どういう状態なら楽か」ということだった。満員電車に乗らなくていい。自分のペースで進められる。人間関係で消耗しない。「やらされ感」がない。——「何がしたいか」ではなく「どう在りたいか」から逆算すると、少しだけ輪郭が見えてきた。
ただ、この「どう在りたいか」を一人で掘り下げるのにも限界がある。自分の思考のクセに気づけないし、言語化するのが難しい。私は何年もかかった。もっと早く、対話の中で引き出してもらえる場があればよかったと思う。
キャリアコーチングという選択肢
最近「キャリアコーチング」というサービスが広がっている。転職エージェントとは根本的に違う。求人を紹介するのではなく、「自分を知ること」に特化したサービスだ。
コーチとの1対1の対話を通じて、自分の価値観・強み・働き方の軸を整理していく。転職すること自体が目的ではなく、「自分はどう生きたいのか」を言語化することがゴールになる。今の仕事を続ける、という結論になることもある。
キャリアコーチングは魔法ではない。「受ければやりたいことが見つかる」と期待しすぎると肩透かしを食らう。あくまで「考える補助線を引いてもらう」サービスだ。でも、一人で何年もぐるぐるするよりは確実に前に進める。自己分析では気づけなかったことを、対話の中で引き出してもらえる。
向いているのは、以下のような人だ。
・「何がしたいかわからない」が半年以上続いている
・自己分析や適職診断をやっても腑に落ちない
・転職エージェントに相談しても噛み合わなかった
・自分の強みや価値観を言語化したい
・転職するかどうか自体を迷っている
相談先・サービスまとめ
POSIWILL CAREER(ポジウィルキャリア) — キャリアコーチングの先駆け的存在。「どう生きたいか」から逆算してキャリアを設計する。求人紹介ではなく自己理解に特化。初回の無料カウンセリングで相性を確認できる。
LaFree(ラフリー) — キャリアコーチングサービス。自分の価値観や強みを対話の中で整理し、納得感のあるキャリア選択をサポートする。無料相談あり。
※ 上記は広告リンクです。どちらも無料相談から始められます。
一人で抱え込まないでほしい
「何がしたいかわからない」は、一人で解決しようとすると余計にこじれる。考えれば考えるほど袋小路に入り、「自分はダメだ」という結論に行き着く。私がまさにそうだった。
もし今つらいなら、まずは心のケアが先かもしれない。「オンラインで精神科・カウンセリングを受ける方法」も選択肢のひとつだ。心が少し落ち着いてから、キャリアのことを考えても遅くはない。
完璧な答えを出す必要はない。「とりあえず無料相談してみる」「とりあえず話を聞いてもらう」——その一歩が、何年も止まっていた時間を動かすきっかけになる。
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