「あの子だけ学校に行かなくていいのはずるい」——不登校の子の兄弟や同級生が、こう感じることは珍しくない。親の中にも「甘やかしているだけでは」とモヤモヤを抱えている人がいるだろう。
私自身、高校で半年以上不登校になった。家にいる自分に対して、周囲が「ずるい」と思っていたのは知っていた。でも当事者からすると、学校に行けない状態は「ラクをしている」のとは正反対だった。この記事では、「ずるい」と感じる側の気持ちにも寄り添いつつ、不登校の子が実際に何を抱えているのかを書いていく。
「ずるい」と感じる気持ちは自然なこと
まず、不登校の子に対して「ずるい」と感じること自体は悪いことではない。特に兄弟姉妹の場合、以下のような不満を抱えやすい。
・自分は毎日頑張って学校に行っているのに、あの子だけ家にいる
・親の注目がその子ばかりに向いている
・自分が学校で嫌なことがあっても「あの子に比べたら」と我慢させられる
・ゲームやスマホを自由に使っているように見える
これらは正直な感情であり、否定すべきものではない。問題は「ずるい」の裏側にある状況を知らないまま、その感情だけで判断してしまうことだ。
不登校の子は「ラクをしている」のか
外から見ると、不登校の子は家で好きなことをして過ごしているように見える。でも実際は違う。
私が不登校だった時、一日中ベッドの中にいた。ゲームをする気力もない。テレビを見ても内容が入ってこない。「今頃みんなは授業を受けている」と思うだけで胃が痛くなる。「明日こそ行こう」と毎晩思って、朝になると体が動かない。
不登校の子の多くは、以下のような状態にある。
・「行かなければ」という罪悪感に毎日苦しんでいる
・自己肯定感がどんどん下がっている
・学習の遅れへの焦りがある
・「自分だけ取り残されている」という孤立感
・将来への漠然とした恐怖
家にいること自体がすでに苦しい。「行かなくていいからラク」ではなく、「行けない自分が許せない」状態で毎日を過ごしている。
不登校の原因は「怠け」ではない
不登校の背景には、いじめ、スクールカースト、発達障害、家庭環境の問題、起立性調節障害など、複数の要因が絡んでいることが多い。詳しくは「不登校の原因は1つじゃない」に書いた。
私の場合、グループからの仲間外し、裏サイトでの悪口、ADHDの特性、父親との関係——これらが重なって、教室に入ること自体が恐怖になった。「行きたくない」ではなく「行けない」だった。この違いは、経験しないとわかりにくい。
兄弟が「ずるい」と感じた時、親ができること
不登校の子に注目が集まりがちだが、兄弟姉妹のケアも同じくらい重要だ。
兄弟の気持ちを否定しない
「ずるいなんて言わないで」と叱るのは逆効果。「そう思うよね。あなたも毎日頑張ってるもんね」とまず受け止める。兄弟にも「聞いてもらえた」という体験が必要だ。
不登校の理由を年齢に合わせて説明する
「あの子は怠けているのではなく、心がしんどい状態」ということを、兄弟の年齢に合った言葉で伝える。「風邪で体が動かないのと似ている。心がしんどくて学校に行くエネルギーがない状態」という説明が伝わりやすい。
兄弟にも特別な時間を作る
不登校の子に対応する時間が増えると、どうしても兄弟への関心が薄くなる。意識的に「あなただけの時間」を作ることで、「自分も大切にされている」と感じられる。
クラスメイトが「ずるい」と思った時
同級生の立場からすると、「自分だって嫌なことはあるのに行っている」という気持ちが出てくるのは当然だ。でもそう感じた時は、こう考えてみてほしい。
あなたが「嫌だけど行ける」のは、学校に最低限の居場所があるからだ。話せる友達がいる、休み時間に過ごす場所がある、家に帰れば安心できる。不登校の子は、そのどれかが——あるいは全てが——欠けている。スタート地点が違う。
私はスクールカーストの底辺に落ちた時、教室に居場所がなくなった。休み時間にどこにいればいいかわからず、トイレで時間を潰した。それでも通い続けようとしたが、限界が来た。「ずるい」と言われた時、「じゃあお前がこの状況を一日やってみろ」と心の中で思っていた。
学校に行けなくても学べる環境はある
不登校が「ずるい」と言われる背景には、「学校に行かないと勉強ができない」「将来が詰む」という前提がある。でも今は学校以外の学習手段が充実している。
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「ずるい」の先にあるもの
不登校の子に「ずるい」と言う人は、その子のことを嫌いなわけではない場合が多い。自分も頑張っているのに報われない不満や、なぜあの子だけ特別扱いされるのかという疑問が「ずるい」という言葉になっている。
でも不登校は「特別扱い」ではない。学校に行けない子は、行かない選択をしているのではなく、行く力が尽きている。骨折した人に「歩け」と言わないのと同じで、心が折れている子に「来い」と言っても動けない。
「ずるい」と思った時は、相手の見えない部分を想像してみてほしい。それだけで、言葉の選び方が変わる。
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