ADHDの私が任意整理した体験談|決断に3ヶ月かかった理由

「任意整理しよう」と思ってから、実際に弁護士に電話するまで3ヶ月かかった。

普通の人なら「決めたらすぐ動く」のかもしれない。だがADHDの脳は違う。「やらなきゃ」と思いながら毎日先延ばしにする。明日やろう。来週やろう。月末までには。そうやって3ヶ月が過ぎた。その間も利息は黙々と増えていた。先延ばしにした90日間で発生した利息を計算すると吐き気がする。

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「もう返せない」から任意整理を検討するまで

残高が目に見えて減っていき、翌月の収支見通しがマイナスになった時、「もう返せない」と認めざるを得なくなった。FXで268万を溶かし、サイトも50万で手放した後。手元に何も残っていなかった。

それでも任意整理に踏み切れなかった理由がある。「任意整理=人生の敗北」という思い込みだ。信用情報に傷がつく。クレジットカードが使えなくなる。社会的に「終わった人間」の烙印を押される——そう思っていた。

だが実際に調べてみると、任意整理は自己破産とは全く違う。将来利息をカットして元本だけを返す交渉だ。借金は返す。ただし利息は免除してもらう。財産を没収されるわけでもない。それだけのことだった。知らなかった自分が恥ずかしかった。

ADHDの「調べるまでに時間がかかる」特性がここでも発動した。「任意整理って何?」をGoogle検索するだけのことに、1ヶ月かかった。

弁護士を探す——ADHDの「比較地獄」

任意整理を決意してからも、ADHDは容赦なく邪魔してきた。

まず弁護士事務所を検索して比較するのに2週間かかった。タブを30個開いて「費用比較表を作ろう」とした。途中でYouTubeに逸れ、翌日にはどのタブが何だったか分からなくなる。また1から検索する。3日後にまた30タブ開く。以下繰り返し。

結局、検索結果の上位に出てきた事務所に電話した。2週間かけた比較は何の意味もなかった。ADHDの人間にとって「60点で即行動」が唯一の正解だと、このとき学んだ。100点を探そうとすると永遠に動けない。

手続き中のADHD的トラブル

書類を紛失する

任意整理の手続きには書類が必要だ。借用書、取引明細、開業届の控え、確定申告書の控え。

借用書を紛失した。正確には「どこに仕舞ったか分からなくなった」。机の引き出し、本棚、クローゼット。3日間探し回り、最終的にクローゼットの奥の紙袋の中から見つかった。一度しまうと場所を忘れる。ADHDのワーキングメモリの弱さが、こういう場面で致命的になる。

開業届の控えも行方不明になった。こちらは結局見つからず、税務署に再発行を依頼する羽目になった。再発行の手続きにさらに2週間かかった。

弁護士事務所への連絡を放置する

「書類が揃い次第ご連絡ください」と言われて2週間放置した。先延ばし癖と書類の所在不明が合わさって、手続きが完全に止まった。催促の電話が来て初めて動いた。申し訳なさで電話に出るのも怖かった。

ADHDの人間が任意整理する最大のハードルは「法律の難しさ」ではない。「事務手続きを期限内にやり切ること」だ。

任意整理の結果:返済額の変化

紆余曲折を経て、任意整理が成立した。将来利息が全額カットされ、元本のみを長期分割で返済する計画になった。

  • 任意整理前:月3万円以上の返済(うち利息分が毎月数千円〜1万円)
  • 任意整理後:月1万円の返済(全額が元本充当。利息ゼロ)
  • 返済総額:利息カットにより数十万円単位の減少
  • 返済期間:当初の見通しより大幅に短縮

月3万が月1万になったことで、毎月2万円の余裕が生まれた。手取り20万で生活している人間にとって月2万の差は巨大だ。食費を削らなくてよくなった。精神的な余裕も全く違う。「今月払えるだろうか」という不安が消えた。

信用情報——ADHDにはカード無しがむしろ楽

任意整理すると信用情報に事故情報が載る。約5年間、クレジットカードの新規発行やローンの審査が通りにくくなる。

正直、これが一番怖かった。だが実際に任意整理してみて気づいたのは、「クレジットカードが使えない生活は、ADHDの人間にとってむしろ楽だ」ということだ。

衝動買いの手段が物理的に減る。ネットショッピングでワンクリック購入ができない。コンビニでも現金だから「出すのが面倒」でブレーキがかかる。カード無し生活は、ADHDの衝動性に対する強制的な防御壁になった。

衝動性で借金を作った人間が、信用情報を気にしてカードを温存するのは本末転倒だった。カードがあるから使う。使うから借金が増える。この循環を物理的に断ち切れたことは、結果的にプラスだった。

ADHDの人が任意整理する時の具体的アドバイス

  • 「比較して最適を選ぶ」より「60点で即電話」。検索結果の上位3つから1つ選べ
  • 書類は全部1つの透明クリアファイルにまとめる。散らばると確実に紛失する
  • 弁護士事務所とのやり取りはメール推奨。電話だと内容を忘れる。メールなら後で見返せる
  • 「来週やろう」は3ヶ月後になる。今日やれ。今日無理なら明日の朝8時にアラームを5個セット
  • 届いた書類は即写真に撮ってクラウド保存。紙は失くすがGoogleフォトは消えない
  • 催促電話を恥ずかしがるな。向こうは慣れている。あなたが100人目のクライアントだ

任意整理は「敗北」ではない

任意整理は「人生の敗北」ではなかった。「これ以上傷を広げないための止血処置」だった。

ADHDの人間は衝動性で借金を作りやすい。同時に「稼いで返す」に飛びついてFXで溶かしたり、衝動的に仕事を辞めて収入がゼロになったりもする。「まず止血。稼ぐのはその後」。これだけは伝えたい。

FAQ

任意整理にかかる費用は?

弁護士費用は1社あたり3〜5万円程度が相場。私の場合は2社(公庫と信金)で合計8万円程度だった。分割払いに対応している事務所も多い。「費用が払えないから任意整理できない」と思い込んでいる人は多いが、実際にはほとんどの事務所が後払いや分割払いに対応している。まず相談だけなら無料の事務所がほとんどだ。

任意整理したら会社にバレる?

基本的にバレない。任意整理は裁判所を通さない私的な交渉なので、官報に載らない。給与差し押さえが既に始まっている場合は別だが、差し押さえ前に任意整理すれば職場に連絡が行くことはない。同僚にも上司にも知られずに手続きできる。

ADHDで書類管理が無理な場合、誰かに頼める?

弁護士に全て任せることは可能だ。「書類が揃えられない」と正直に伝えれば、弁護士側で金融機関に直接取引履歴を照会してくれることが多い。完璧に書類を揃えてから相談する必要はない。むしろ「書類が揃わなくて相談が遅れた」パターンが最悪なので、手ぶらでも構わないからまず電話してほしい。


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この記事を書いた人

宮瀬圭介(みやせ けいすけ)

ADHD診断済みの30代男性。FXで268万円の損失、借金500万円からの生活再建中。 プロフィール詳細 →

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この記事を書いた人

ADHD診断済みの30代男性。FXで268万円の損失、借金500万円からの生活再建中。機能不全家族・ADHD・借金について当事者視点で発信しています。

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