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FXはなぜ負けるのか?理由を徹底考察

FX(外国為替証拠金取引)では9割以上の個人トレーダーが負ける(損をする)と言われています。では、なぜほとんどの人がFXで負けるのでしょうか?実際に過去5年間で300万円以上の損失額を叩き出した筆者が、真剣に考察します。

自分のトレードスタイルが検証によって成り立っていない

まず最初に、検証によって確立された自分のトレードスタイルが用意できていないことが挙げられます。

相場は常に不規則な動きをしており、またそれを計るインジケーター・オシレーター類は数多く存在しています。相場はファンダメンタルズによって動いていると言いますが、定性的なファンダメンタルズでトレードを判断することは、実に困難です。ゆえにトレーダーは自ずと、自分なりの確固たる判断基準・トレードスタイルを持つことを迫られるでしょう。

そして、自分の判断基準・トレードスタイルで中長期的に本当に利益が得られるのかは、過去チャートの検証によってしか立証することはできません。多くの人が述べていないことですが本来トレーダーは、実際のトレードをする前に過去チャートで十分な検証を行ってから、相場に向き合うべきなのです。「まずは少額から〜」などと述べている言説もありますが、少額でリアルタイムトレードを積み重ねるよりは、ゼロコストでスピーディーに過去チャートを検証した方が良いのではないでしょうか?

自身のルールに合致したトレードチャンスを待てない、ルール外の取引をする

続いてよく陥りがちなのが、相場を待てないということ、ひいてはルール外の取引をしてしまうということです。

どんなチャート形状でも確実に利益を積み上げられるトレーダーなど実質的には存在しません。必ず各々に得意なスタイルがあり、それぞれに手を出すべき地合いやそうでない地合いがあるのです。

しかし自身のスタイルと相場がマッチせず、1日の中でほとんど取引チャンスが巡ってこないということもあるかもしれません。そこでソワソワしてしまって自身が定めたルール以外の取引をしてしまい大きな損失を出すということは、本当によくあることなのです。

相場に絶対(100%)はあり得ません。ということは、定型化したスタイルで取引をし続けてトータルの期待値が1以上にするということしか、勝ち筋はないのです。そのためには、自身が検証によって確立した黄金の取引ルールを絶対に守り、それを正確に運用していくほかありません。

エントリーするロット(lot)数が多すぎる

そしてとても重要なのが、エントリーするロット(lot)数が多すぎるという点です。理由は主に、2つに分岐します。

すぐに証拠金が維持できなくなり、損切りをせざるを得なくなる

まず最も主張したいことが、証拠金に対して張っているロット数が多すぎるためにすぐに証拠金維持率が低下し、損切りせざるを得なくなるという点です。

実際のFXの相場は、教科書のようにきれいな値動きをしたり、チャートを形成したりすることはほとんどありません。投機筋による”ストップ狩り”なども頻発しますし、突如要人発言や海外情勢などのファンダメンタルズが飛び込んでくることもあります。そのためロット数が証拠金に対して大きい場合、最終的なエントリー方向と値の行き先が合致していたとしても、これらの様々なノイズによって、数十pipsの逆行であっという間に証拠金維持率を圧迫してしまうのです。

特に初心者のうちは、”上手い損切り”をすることは至極困難でしょう。もし最初から大きなロットを張ってしまっていたら、損切りに対する恐怖心が芽生え、変な癖がついてしまうこともあるかもしれません。

個人トレーダーが潤沢な証拠金を準備することは、難しいことでしょう。大口の投資家や投機筋と張り合うためには、証拠金と投下している通貨量(ロット)の割合を同等にしておくべきです。

逆行するとあっという間に含み損が肥大化し、損切りすることを惜しんでしまう

続いて、含み損がすぐに大きくなってしまい、損切りすることを惜しんでしまう懸念がある点です。

例えば、日本で一般的な生活を営んでいる人が5000円を損切りするのは、感覚的にそれなりに手痛いものです。10000円なら、なおさらのことでしょう。なぜなら日常生活でこれらの金額を使うと、それなりのことができてしまうからです。他方で、5000円や10000円の含み益が発生したら、”ありがたい!”と思って途端に利確したくなるのではないでしょうか。

これでは、リスクリワード(「リスク=損失」と「リワード=報酬」の比率のこと)の分が悪くなり、数学的に考えるとよほど勝率が高くない限り、取引を重ねるごとに負ける金額が増えていってしまいます。

つまり身の丈に合ったロット数を張ることで損切りしやすくしよう、ということが言いたいのです。
もちろん、金銭感覚は人それぞれです。数万円損切りするのが惜しくないという人がいれば、それでもいいでしょう。ただ、一般的なトレードでは「損小利大」(損失は最小限におさえ利益は最大限に伸ばし、トータルでの利益を最大化するという考え方)という要素が重要になるので、心掛けるようにしましょう。

投機筋に狩られている

これは初心者の個人トレーダーがなかなか知り得ないことかもしれませんが、FXの相場にはいわゆる投機筋の大口投資家や機関が実在しています。これは各国の政府がその動向を注視しているほど大きな存在です。

彼らはいわゆる“ストップ狩り”などを行って、意図的に相場に流動性を持たせようとします。多くの人が損切りラインに設定している価格帯にわざと注文を入れて決済させてしまう、といったことを行っているのです。

だから、適切に逆指値を入れたはずなのに絶妙に引っかかってしまって損失が出たということがしばしば起こります。これを防ぐためには、余裕を持ってストップロス(逆指値)を入れておくことや、ポジションブックでポジションの集中や傾きを確認しておくことなどが有効でしょう。

時間帯の傾向を知らない

これも初心者にありがちなことですが、時間帯別の値動きの傾向を知らないこともある意味危険です。

例えば東京時間、ロンドン時間、ニューヨーク時間にそれぞれの特徴があると言われています。ほか、東京仲値、ロンドンフィックスなど、局所的な時間帯で特徴的な値動きが発生することもあります。

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