浮気や不倫の慰謝料を請求したいが、「もう時効では?」と不安に思っている人は多い。慰謝料請求には明確な時効がある。期限を過ぎると、どれだけ証拠があっても一切請求できなくなる。
この記事では、慰謝料請求の時効の仕組み、時効を止める方法、そして時効ギリギリの場合の対処法を解説する。
慰謝料請求の時効は2種類ある
慰謝料請求の時効は、民法の不法行為に基づいている。時効には2つの期限がある。
- 3年の消滅時効 — 「損害および加害者を知った時」から3年。つまり、浮気の事実と浮気相手を知った日からカウントが始まる
- 20年の除斥期間 — 「不法行為の時」から20年。浮気の事実を知らなくても、浮気が行われた日から20年で権利が消滅する
実務上は3年の消滅時効が問題になることがほとんどだ。浮気を知ってから3年を過ぎると、原則として慰謝料は請求できない。
「知った時」とはいつか
時効の起算点(カウント開始日)は「損害および加害者を知った時」だが、具体的にはどの時点を指すのか。
- 浮気の事実を知った日 — LINEを見た日、探偵の報告書を受け取った日など
- 浮気相手が誰か分かった日 — 浮気は知っていたが相手が不明だった場合、相手が判明した日からカウント
- 「疑い」だけでは起算されない — 「怪しい」と感じただけでは不十分。確定的な証拠を得た日が起算点
裁判では「いつ知ったか」が争点になることが多い。日記やLINEの日付が証拠になるため、証拠を発見した日時は必ず記録しておくこと。
配偶者への慰謝料と浮気相手への慰謝料は別
慰謝料は配偶者と浮気相手の両方に請求できる。そしてそれぞれの時効は独立している。
- 配偶者への請求 — 婚姻関係が継続中は時効が進行しない(民法159条)。つまり離婚するまで時効は来ない。離婚後3年で時効
- 浮気相手への請求 — 浮気の事実と相手を知った日から3年。婚姻中でも時効は進行する
重要なのは、配偶者と浮気相手で時効のルールが異なる点だ。浮気相手への請求は婚姻中でも時効が進むため、「離婚してから請求しよう」と待っていると手遅れになる場合がある。
時効を止める方法
時効が迫っている場合でも、以下の方法で時効を止めることができる。
1. 内容証明郵便で請求する(催告)
弁護士名義で内容証明郵便を送ると、6ヶ月間時効が延長される。この6ヶ月の間に訴訟を提起すれば、時効は完全にストップする。
費用は弁護士に依頼した場合で1〜3万円程度。自分で作成することも可能だが、法的効力を確実にするために弁護士への依頼を推奨する。
2. 訴訟を提起する
裁判所に訴訟を提起すると、時効は完全にストップする。訴訟の結果、慰謝料が確定した場合は、その日から新たに10年の時効が始まる。
3. 相手が債務を承認する
浮気相手や配偶者が「慰謝料を払う」と認めた場合、その時点で時効がリセットされる。口頭でも有効だが、証拠として書面やLINEで残すことが重要だ。
たとえば「申し訳ない、慰謝料については後で話し合おう」というLINEがあれば、それが債務承認の証拠になり得る。
時効が過ぎてしまった場合
時効が過ぎてしまった場合でも、完全に諦める必要はない。
- 相手が時効を主張しなければ請求可能 — 時効は相手が「時効だ」と主張して初めて効力が発生する。相手が時効の存在を知らなければ、支払いに応じる可能性はある
- 新しい浮気が発覚した場合 — 過去の浮気は時効でも、現在進行中の浮気があれば新たに請求できる
- 離婚慰謝料として請求 — 個々の浮気行為は時効でも、「婚姻関係を破綻させた」ことに対する離婚慰謝料は離婚から3年。これで請求できる場合がある
時効ギリギリの場合にやるべきこと
時効まで残り数ヶ月という場合、以下の手順で動く。
- すぐに弁護士に相談する — 法テラスの無料相談でもいい。時効の起算点を正確に判断してもらう
- 内容証明郵便を送る — これで6ヶ月の猶予が得られる
- 6ヶ月以内に訴訟を提起する — 内容証明だけでは6ヶ月後に時効が来るため、その間に訴訟の準備をする
「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにすると、本当に手遅れになる。時効ギリギリの場合は、今日中に弁護士に連絡すべきだ。
時効に関するよくある誤解
慰謝料の時効については、以下のような誤解が多い。正確な知識を持っておくことで、請求のタイミングを逃さずに済む。
- 「離婚してから3年」ではない — 浮気相手への時効は「知った時から3年」であり、離婚日は関係ない。知ったのが離婚の5年前なら、すでに時効が来ている可能性がある
- 「浮気が1回なら時効は1回」ではない — 浮気が継続している場合、最後の不貞行為から時効がカウントされる。3年以上前に始まった浮気でも、最近まで続いていたなら時効は来ていない
- 「示談したら再請求できない」 — 原則としてその通り。示談書(和解書)に「今後一切請求しない」と書いた場合、追加請求はできない。ただし、示談後に新たな浮気が発覚した場合は別件として請求可能
慰謝料請求の相場
慰謝料の相場は請求の原因によって異なる。
- 浮気・不倫 — 50万〜300万円(詳細はこちら)
- モラハラ — 50万〜300万円
- DV(身体的暴力) — 50万〜500万円
- セックスレス — 50万〜200万円
- 悪意の遺棄(生活費を渡さない等) — 50万〜300万円
これらが複合している場合は増額される。たとえば「浮気+モラハラ」なら300万円以上になるケースもある。
慰謝料請求の手順と費用
慰謝料を請求する場合、大きく3つのルートがある。
1. 当事者間の交渉(協議)
弁護士を入れずに直接交渉する方法。費用は最も安いが、感情的な対立になりやすい。合意した場合は公正証書にしておくこと。口約束だけでは後から「そんな約束はしていない」と言われる。
2. 調停
家庭裁判所で調停委員を交えて話し合う方法。費用は申立て手数料1,200円+切手代。弁護士を立てる場合は着手金20〜30万円が目安。調停の場では相手と直接顔を合わせる必要はなく、別室で交互に話を聞く形式だ。
3. 訴訟
調停が不成立になった場合に裁判に移行する。弁護士費用は着手金30〜50万円+成功報酬(回収額の10〜20%)が相場。判決まで半年〜1年以上かかることもある。
どのルートを選ぶにしても、最初の相談は無料で受けられる。法テラスは収入要件を満たせば弁護士費用の立替制度も利用できる。
FAQ
浮気が10年前の場合は?
浮気の事実を知ったのが3年以内であれば請求可能。浮気が10年前でも、最近になって証拠が見つかった場合は時効は進行していない。ただし、不法行為から20年の除斥期間には注意。
慰謝料請求に弁護士は必須?
必須ではないが、強く推奨する。時効の計算、証拠の評価、相場の判断、交渉の代理——全て専門知識が必要だ。特に時効ギリギリの場合、素人判断で起算点を間違えると取り返しがつかない。
参考情報:法テラス(無料法律相談) / 裁判所
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